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LastUpdate:2016/3/31
 
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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  食物や生体内には、アリールハイドロカーボン受容体(AhR)44に対してリガンドとなり得る種々の物質が明らかになっており、その作用機構が注目されている45。これらの物質は低用量で作用すると考えられるが、詳細は明らかでない46。天然のAhRリガンドの存在量と作用メカニズムに関して行われた文献調査によれば、緑茶、ウーロン茶、コーヒー、リンゴジュース、トマトジュースからの抽出物でリガンド活性物質の存在が認められている。発
がん一般に関する調査(低用量影響に関する検討を含む)によれば、ジエチルスティルベストロール(DES)の雌雄性器腫瘍や種々の異常発生には閾値が確認できなかったとされているので、そうした機構が他の内分泌かく乱化学物質といわれる物質にも起こりえるものかどうかが今後の調査の課題となる。
 発がん性に関する知見に注目すると、低用量発がんに関する実験的検討では、ベンゼンヘキサクロリド(αBHC)の、ジエチルニトロソアミン(DEN)をイニシエーターとする発がん二段階法を用いた0.01ppmから500ppmまでの用量に対する検討が行われており、35週の実験結果で観察された腫瘍頻度は、0.1ppmに極小値を示す、非線形の、下に凸の頻度曲線が得られている47。他方、低用量域での高用量からの外挿を上回る発がん性を肯定する文献は見出されず、既存の発がん性に関する実験結果と符合している。またタモキシフェン(TXP)の高用量はE2アゴニストとして作用していることが知られているが、このことは、作用機作が用量によって異なることがあることを示唆している。周生期暴露の後期発がんに関する調査では、いずれについても、明らかな低用量作用は認められないと判断されている。男性性器がん、乳腺・女性性器癌に関する調査では、Ashbyらの追試によれば、von Saalらの観察した低用量作用の再現性は得られず、見解の統一に至っていない。この乖離について実験に与える影響因子としては、飼育条件、動物の遺伝背景、体重、飼料中の植物エストロゲン量などの要素が指摘されている。
 
44 脚注13, 15を参照。
45 脚注13, 15 を参照。
46 各種のリガンドは、ダイオキシン型、ベンツピレン(B[a])P)型、インディルビン型に分類され、前2者は、特有の毒性を示し、インディルビン型の主として食品などに由来する生体内代謝産物リガンドのそれは毒性は低いものと想定されている。
47 6 週令の雄性F344 ラットを用い、DEN を週1 回、3 週にわたって投与し、αBHC をプロモーターとして低用量(0.01ppm)から0.05、0.1、1.0、および高用量(50, 500ppm)が混餌投与されている。

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