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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  [考察]
 胎生第4週初期に生殖結節が形成され男では陰茎のもととなる。同時期に尿生殖ヒダが発生し、近位から遠位へ正中癒合し尿道を形成する。このように会陰、陰嚢、陰茎振子部と順次先端方向へ向かい、胎生15・16週には尿道が完成する。この過程は胎児の精巣から分泌されるアンドロゲン依存性だと考えられており、この時期の内分泌作用が不十分であったり、外的要因によって作用が阻害されたりすると尿道が完成せず、尿道下裂を発症する。
 有機塩素化合物のいくつかは、エストロゲンレセプターアゴニストとして作動し、外因性エストロゲンとしてホルモンを変動させることがしられており、2000 年12 月31 日までの疫学研究では、母親の農薬使用によるオッズ比の上昇(Kristensen 1997, Weidner 1998)や、産業廃棄物処理所の距離が近い人でオッズ比の上昇(Dolk 1998)が報告されていたが、今回、最近の知見について文献検索を行ったところ、コホート研究でDES との関連や、農業都市や産業都市で尿道下裂発生率の上昇、父親の職業性暴露との関連が報告された。しかし、尿道下裂患児の内分泌攪乱物質への暴露を、生体試料を用いて定量的に評価した報告では関連が認められず、現時点では、内分泌攪乱物質と尿道下裂との関連について、一定した評価をするには、未だ研究が乏しい状況である。今後、信頼性の高い研究デザインと用いた研究の必要性が示唆された。

[結論]
 尿道下裂と内分泌攪乱物質について2004 年10 月31 日までの疫学研究をレビューしたところ、コホート研究において子宮内DES 暴露によるリスクの増加が報告されていた。尿道下裂患者の母親の妊娠中の血清DDE 濃度と尿道下裂には関連がない、という知見1件があった。尿道下裂と内分泌攪乱物質との関連に関する研究はきわめて乏しく、両者の因果関係を適切に評価することは困難であった。今後、信頼性の高い研究デザインを用いた研究の必要性が示唆された。

〔参考文献〕

〔表2-8-1 内分泌かく乱物質と尿道下裂に関するコホート研究〕

 
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