(食品安全情報2022年18号(2022/08/31)収載)
カナダ公衆衛生局(PHAC)は、連邦・複数州の公衆衛生当局、米国疾病予防管理センター(US CDC)および米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、カナダの5州(ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ)および米国で発生したノロウイルス感染と胃腸疾患による1件のアウトブレイクを調査した。本アウトブレイクは終息したとみられ、カナダでのアウトブレイク調査は終了した。
調査の結果から、本アウトブレイクの感染源としてブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣が特定された。これを踏まえ、調査の一環として、本アウトブレイクとの関連が示された同州の一部の牡蠣採捕地域が閉鎖された。
カナダ食品検査庁(CFIA)は、2022年2〜4月にかけて数件の食品回収情報を発表した。本調査に関連して発出された食品回収の通知および警報に関する情報は以下のWebページから入手可能である。
https://www.canada.ca/en/public-health/services/public-health-notices/2022/outbreak-norovirus-gastrointestinal-illness-linked-raw-oysters-british-columbia.html#recalls
生牡蠣は有害微生物に汚染されている可能性があり、喫食前に適切な取扱いや加熱処理が行われない場合、食品由来疾患の原因となり得る。本アウトブレイクは、このことをカナダ国民および食品事業者に再認識させる重要な機会となっている。
〇 アウトブレイク調査の概要
2022年4月28日までに、ノロウイルス感染と胃腸疾患の確定患者計339人がブリティッシュ・コロンビア(301人)、アルバータ(3)、サスカチュワン(1)、マニトバ(15)およびオンタリオ(19)の各州から報告された。患者の発症日は2022年1月中旬〜4月上旬で、死亡者は報告されなかった。
CDCも、ブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して米国の複数州にわたり発生したノロウイルス感染アウトブレイクを調査した。