(食品安全情報2022年12号(2022/06/08)収載)
カナダ公衆衛生局(PHAC)は、複数州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、4州(ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、マニトバ、オンタリオ)にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患による1件のアウトブレイクを調査している。
調査の結果から、本アウトブレイクの感染源としてスポットエビ(spot prawn)の喫食が特定されている。患者全員が発症前にスポットエビを喫食したと報告した。当該エビがノロウイルスに汚染された経路を特定するためにはさらなる情報が必要である。
2022年5月31日、CFIAは、調査対象の患者に関連している生きたスポットエビの一部のロットコードの製品について食品回収警報を発出した(以下Webページ参照)。
https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/certain-tri-star-seafood-supply-ltd-brand-live-spot-prawns-recalled-due-norovirus
回収対象製品は、ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、マニトバおよびオンタリオの各州で販売されたほか、その他の州・準州にも流通している可能性がある。CFIAは食品安全調査を継続しており、これにより他の製品が回収対象に追加される可能性がある。他の製品が回収対象に追加された場合は、CFIAは食品回収警報の更新によって消費者に通知する予定である。
PHACは、回収対象のスポットエビの喫食・使用・販売・提供を行わないよう注意喚起しており、当該エビが自宅に保存されている場合はこれらを廃棄し手を洗うよう呼びかけている。
〇 アウトブレイク調査の概要
2022年6月1日までに、ノロウイルス感染と胃腸疾患の患者計48人がブリティッシュ・コロンビア州(11人)、アルバータ州(12)、マニトバ州(19)およびオンタリオ州(6)から報告されている。患者の発症日は2022年5月中旬〜下旬で、死亡者は報告されていない。検査は患者全員については実施されていないが、検査機関での検査により患者1人のノロウイルス感染が確定している。