カナダ公衆衛生局(PHAC)からのノロウイルス関連情報
https://www.phac-aspc.gc.ca


公衆衛生通知:ブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して複数州にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患のアウトブレイク(2022年4月8日付更新情報、3月31日付初発情報)
Public Health Notice: Outbreak of norovirus and gastrointestinal illnesses linked to raw oysters from British Columbia
April 8 & March 31, 2022
https://www.canada.ca/en/public-health/services/public-health-notices/2022/outbreak-norovirus-gastrointestinal-illness-linked-raw-oysters-british-columbia.html

(食品安全情報2022年8号(2022/04/13)収載)


2022年4月8日付更新情報

 本公衆衛生通知は、現在発生中のノロウイルス感染と胃腸疾患のアウトブレイクに関する更新情報である。2022年3月31日付初発情報以降に報告された新規患者49人が本アウトブレイク調査の対象に追加された。ブリティッシュ・コロンビア州産の牡蠣の喫食に関連したノロウイルス感染および胃腸疾患の患者が現時点で5州から計328人報告されている。

 カナダ公衆衛生局(PHAC)は、連邦および複数州の公衆衛生当局、米国疾病予防管理センター(US CDC)、米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、5州(ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ)にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患による1件のアウトブレイクを調査している。

 現時点で得られている調査結果にもとづくと、本アウトブレイクはブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣の喫食に関連している。調査の一環として、本アウトブレイクの患者との関連が示されている同州の一部の牡蠣採捕地域は閉鎖されている。これは、新たな患者の発生を防止するための措置である。

 カナダ食品検査庁(CFIA)は、2022年2〜4月にかけて数件の食品回収情報を発表した。本調査に関連して発出された食品回収の通知および警報に関する情報は以下のWebページから入手可能である。
https://www.canada.ca/en/public-health/services/public-health-notices/2022/outbreak-norovirus-gastrointestinal-illness-linked-raw-oysters-british-columbia.html#recalls
CFIAは食品安全調査を継続しており、これにより他の製品が回収対象に追加される可能性がある。他の製品が回収対象となった場合、CFIAは食品回収警報の更新によって消費者に通知する予定である。

 PHACは、回収対象の牡蠣の喫食・使用・販売・提供を行わないよう注意喚起している。

 PHACはまた、食品由来疾患リスクの低減のため、生または加熱不十分の牡蠣の喫食は避けること、食品の適切な取扱い慣行を実践すること、および牡蠣は内部温度が90℃(華氏194度)に達した状態で90秒以上加熱することを消費者に求めている。

 本アウトブレイク調査は継続しており、必要に応じて公衆衛生を保護するための追加措置が講じられる予定である。


〇 アウトブレイク調査の概要

 2022年4月8日までに、ブリティッシュ・コロンビア州産の牡蠣の喫食に関連したノロウイルス感染と胃腸疾患の患者計328人がブリティッシュ・コロンビア(293人)、アルバータ(3)、サスカチュワン(1)、マニトバ(15)およびオンタリオ(16)の各州から報告されている。患者の発症日は2022年1月中旬〜4月上旬で、死亡者は報告されていない。検査は患者全員については実施されていないが、数人の患者については検査でノロウイルス感染が確定している。

 US CDCも、ブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して米国の複数州にわたり発生しているノロウイルス感染アウトブレイクを調査している。


2022年3月31日付初発情報

 カナダ公衆衛生局(PHAC)は、連邦および複数州の公衆衛生当局と協力し、4州(ブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、サスカチュワン、オンタリオ)にわたり発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患による1件のアウトブレイクを調査している。

 現時点で得られている調査結果にもとづくと、本アウトブレイクはブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣の喫食に関連している。調査の一環として、本アウトブレイクの患者との関連が示されている同州の一部の牡蠣採捕地域は閉鎖されている。これは、新たな患者の発生を防止するための措置である。

 ブリティッシュ・コロンビア州産の牡蠣について、2022年2月18日、3月20日、23日および27日に回収が発表された。本調査に関連して発出された食品回収の通知および警報は以下の各Webページで参照可能。
https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/certain-raw-bc-oysters-recalled-due-norovirus (2022年2月18日)
https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/certain-stellar-bay-shellfish-brand-oysters-recalled-due-norovirus (2022年3月20日)
https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/certain-stellar-bay-shellfish-brand-chef-creek-oysters-recalled-due-norovirus (2022年3月23日)
https://recalls-rappels.canada.ca/en/alert-recall/certain-taylor-shellfish-canada-ulc-brand-oysters-recalled-due-norovirus (2022年3月27日)

カナダ食品検査庁(CFIA)は食品安全調査を継続しており、これにより他の製品が回収対象に追加される可能性がある。他の製品が回収対象となった場合、CFIAは食品回収警報の更新によって消費者に通知する予定である。

 PHACは、回収対象の牡蠣の喫食・使用・販売・提供を行わないよう注意喚起している。

 PHACはまた、食品由来疾患リスクの低減のため、生または加熱不十分の牡蠣の喫食は避けること、食品の適切な取扱い慣行を実践すること、および牡蠣は内部温度が90℃(華氏194度)に達した状態で90秒以上加熱することを消費者に求めている。


〇 アウトブレイク調査の概要

 2022年3月30日までに、ブリティッシュ・コロンビア州産の牡蠣の喫食に関連したノロウイルス感染と胃腸疾患の患者計279人がブリティッシュ・コロンビア州(262人)、アルバータ州(1)、サスカチュワン州(1)およびオンタリオ州(15)から報告されている。患者の発症日は2022年1月中旬〜3月下旬で、死亡者は報告されていない。検査は患者全員については実施されていないが、数人の患者については検査でノロウイルス感染が確定している。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部