(食品安全情報2022年18号(2022/08/31)収載)
米国疾病予防管理センター(US CDC)は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して複数州にわたり発生したノロウイルス感染アウトブレイクの更新情報を発表した。
2022年6月1日付更新情報
米国疾病予防管理センター(US CDC)および米国食品医薬品局(US FDA)は、カナダ公衆衛生局(PHAC)、カナダ食品検査庁(CFIA)、および各州・地域の当局と協力し、カナダのブリティッシュ・コロンビア州産の生牡蠣に関連して米国とカナダの複数州にわたり発生したノロウイルス感染アウトブレイクを調査した。本調査は終了している。
FDAは、ノロウイルス汚染の可能性があるカナダ産の生牡蠣を提供・販売しないよう飲食店および小売店に注意喚起している(以下Webページ参照)。
https://www.fda.gov/food/alerts-advisories-safety-information/fda-advises-restaurants-and-retailers-not-serve-or-sell-potentially-contaminated-raw-oysters-canada
〇 アウトブレイク調査の詳細
2022年6月1日までに、計192人のノロウイルス感染患者が米国の13州(カリフォルニア、コロラド、フロリダ、ハワイ、イリノイ、マサチューセッツ、ミネソタ、ニュージャージー、ネバダ、ニューヨーク、オレゴン、テキサス、ワシントン)から報告されている。CDCは、本アウトブレイクの患者数をより正確に特定するため州・地域の当局と協力しており、新たな情報が得られた場合は患者数が更新される可能性がある。
ノロウイルスは米国で発生する食品由来疾患の主要な原因となっている。しかしながら、州・地域・領土の保健部門には、ノロウイルス感染患者の発生を国のサーベイランスシステムに報告することは義務付けられていない。したがって、特に医療機関を受診しない場合など、多くの患者の存在が把握されていない可能性がある。米国では、ノロウイルス感染アウトブレイクが毎年約2,500件報告されている。ノロウイルス感染アウトブレイクは年間を通じて発生しているが、11〜4月に特に発生件数が多くなる。
各州・地域の公衆衛生当局により、患者が発症前1〜4日以内に喫食した食品に関する聞き取り調査が実施され、患者の多くが生牡蠣の喫食を報告した。
州・地域の当局は、患者が食事をした飲食店から牡蠣の供給元に関する情報を収集した。FDAは、汚染された可能性がある生牡蠣がカナダのブリティッシュ・コロンビア州Baynes Soundの南部・中央部で採捕されたことを確認した。FDAおよび各州の当局は、当該生牡蠣の出荷先を特定し販売対象から確実に除外されるようにするため、前向き追跡調査を行っている。