（食品安全情報2020年22号（2020/10/28）収載）
アイルランド保健サーベイランスセンター（HPSC Ireland）は、アイルランド食品安全局（FSAI）によるベリー類の喫食に関する助言を再認識するよう消費者に促している。喫食前に生鮮ベリー類は洗浄し、冷凍ベリー類は1分間の煮沸を行うべきである。スムージーに加えるベリー類についても同様である。
近年、アイルランドおよび欧州で輸入冷凍ベリー類に関連してA型肝炎アウトブレイクおよびノロウイルス感染アウトブレイクが多数発生している。これらのうち最も大規模なアウトブレイクは、2013〜2014年にアイルランドを含む欧州連合／欧州経済領域（EU/EEA）加盟13カ国で患者計1,500人以上が発生した長期間におよぶA型肝炎アウトブレイクである。
それ以降、欧州では輸入冷凍ベリーに関連して同様のA型肝炎アウトブレイクが複数報告されており、2018年にはスウェーデンとオーストリアの2カ国にわたりアウトブレイクが発生している。
より最近では、スウェーデンとオーストリアで発生したアウトブレイクの原因株と同じA型肝炎ウイルス株に関連した患者が2018年10月〜2020年1月にドイツで計65人特定された。これらの患者のうち27人が冷凍イチゴケーキの喫食を報告した。アウトブレイク調査の結果、スウェーデンとオーストリアのアウトブレイクに関連したポーランドの製造業者がエジプトの卸売業者から冷凍イチゴを仕入れており、このエジプトの卸売業者が冷凍イチゴケーキの製造業者にも冷凍イチゴを出荷していたことが明らかになった。このアウトブレイクに関する詳細情報は以下のWebページから入手可能である。
[Outbreaks: Resurgence of an international hepatitis A outbreak linked to imported frozen strawberries, Germany, 2018 to 2020]
https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2020.25.37.1900670?crawler=true#html_fulltext
冷凍ベリー類とA型肝炎に関する詳細情報はFSAIおよびHPSC Irelandの以下の各Webページから入手可能である。
・輸入冷凍ベリー類の煮沸に関する助言のページ（FSAI）
Berries - Advice to boil imported frozen berries
https://www.fsai.ie/faq/frozen_berries.html
・A型肝炎に関するFAQ（HPSC Ireland）
Hepatitis A Frequently Asked Questions
https://www.hpsc.ie/a-z/hepatitis/hepatitisa/factsheets/