(食品安全情報2017年24号(2017/11/22)収載)
オランダでは、2016年に食品由来感染および食中毒アウトブレイクが2015年より多く報告された。増加の理由としては、食品由来アウトブレイク件数の実際の増加、またはアウトブレイクのオランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)への報告率の上昇が考えられる。2016年はアウトブレイク594件および患者2,731人が報告され、これに対して2015年はアウトブレイク406件および患者数1,850人であった。
以上が、2016年に報告された食品由来感染および食中毒の件数・患者数の分析により明らかになったことである。これまでの年と同じく、食品由来アウトブレイクの最も重要な原因は依然としてノロウイルスで、次いでサルモネラおよびカンピロバクターである。
データは、NVWAおよび州・市町村の保健当局から提供される。これらの機関は、さらなる患者およびアウトブレイクの発生を防止するため食品由来感染・食中毒の登録と調査を行い、それぞれの専門分野で汚染源および病原体の性状の解明に取り組む。NVWAは食品およびその生産・製造場所の調査を行い、州・市町村の保健当局は汚染食品に曝露した人に焦点を当て、そこから可能性のある感染源を探索する。
これらの機関への報告は一本化され、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の感染症管理センター(CIb)により単一データセットとして分析される。このような統合された方法により、オランダでの食品由来アウトブレイクについて、原因病原体、発生件数・患者数およびその経年変動の全体像が把握できる。しかし、本報告書に記載されている数値は、食品由来アウトブレイクの実際の件数および患者数を過小評価していることが明らかである。その理由は、食中毒患者の全員が医師の診察を受けるわけではなく、また、NVWAへ報告するわけでもないためである。
(関連記事)
食品由来アウトブレイクの主要原因はノロウイルス
Norovirus leading cause food-related outbreaks
29 September 2017
http://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Common_and_Present/Newsmessages/2017/Norovirus_leading_cause_food_related_outbreaks