(食品安全情報2017年8号(2017/04/12)収載)
カナダ公衆衛生局(PHAC)は連邦および複数州の公衆衛生当局と協力し、生および加熱不十分のカキに関連してブリティッシュ・コロンビア、アルバータ、およびオンタリオの3州で発生しているノロウイルス感染と胃腸疾患を調査している。感染源としてブリティッシュ・コロンビア州産のカキが特定されたが、その汚染の原因はまだ不明である。生および加熱不十分のカキに関連した胃腸疾患患者の報告が続いているため、汚染されたカキが現在も市場(レストラン、水産食品市場、食料品店などを含む)に流通していると考えられる。したがって、これらのカキの喫食に関連するノロウイルス感染および胃腸疾患のリスクが現在も存在している。
患者全員に対し検査が実施されたわけではないが、数人の患者でノロウイルス感染が確認されている。まだ検査が行われていない患者についても、汚染されたカキの喫食を原因とするノロウイルス感染症が疑われる。
アウトブレイク調査の概要
2017年3月27日までに、カキの喫食に関連した胃腸疾患患者が3州から計321人報告されている。患者数の州別の内訳は、ブリティッシュ・コロンビア(223人)、アルバータ(42)、およびオンタリオ(56)である。死亡者は報告されていない。患者の発症日は2016年12月〜2017年3月である。患者全員がカキの喫食を報告した。
カキの汚染の原因調査が継続されているが、調査は複雑である。ブリティッシュ・コロンビア州の7カ所のカキ採捕場が現在閉鎖されている。カキの喫食に関連した胃腸疾患患者の発生が続いているため、患者発生との関連がみられる他の採捕水域の調査が行われている。
(食品安全情報(微生物)No.6 / 2017(2017.03.15)、No.5 / 2017(2017.03.01)、No.4 / 2017(2017.02.15)PHAC 記事参照)