オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)からのノロウイルス関連情報
http://www.rivm.nl/


オランダにおける食品由来感染症および食中毒の発生状況(2013年)
Registratie voedselinfecties en -vergiftigingen in Nederland, 2013
2015-01-06
http://www.rivm.nl/bibliotheek/rapporten/092331001.pdf (報告書PDF、オランダ語)
http://www.rivm.nl/bibliotheek/rapporten/092331001.html

(食品安全情報2015年3号(2015/02/04)収載)


 オランダの食品由来感染症および食中毒のアウトブレイクは2013年に計290件発生し、2012年より14件多かった。しかし、その患者数は1,460人で2012年(2,607人)より大幅に減少した。その理由は2013年のアウトブレイクは規模が2012年より小さかったことである。2013年、オランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)はアウトブレイク患者とは別に、食品由来感染症および食中毒の散発患者として265人を登録した。

 以上が、NVWA、オランダの各自治体保健局(GGDs)、およびオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の感染症管理センター(CIb)が集計した食品由来感染症および食中毒に関する2013年の登録データである。NVWAおよびGGDsは、食品由来感染症および食中毒の原因(感染源および病因物質)について、それぞれの専門性を生かして独自の調査を行っている。両機関の調査データは相互に補完的なものであることから、これまでは別々に報告されていた両機関のデータが今回初めて一つに統合されて報告された。

 前年までと同様、カンピロバクターおよびノロウイルスが食品由来疾患アウトブレイクの最も頻度の高い原因病原体であった。アウトブレイク件数は両者同数であったが、患者数はノロウイルス感染アウトブレイクが大多数を占めた。サルモネラ感染アウトブレイクは、発生件数も患者数も前年までと比べかなり少なかった。

 NVWAおよびGGDsとも報告アウトブレイクの登録を行っており、NVWAは食品およびその調理方法の調査を行い、一方、GGDsは汚染食品に曝露した者に聞き取り調査を行っている。今回、新たに報告を統合したことによって、オランダでの食品由来感染症および食中毒についてアウトブレイクの発生状況や動向をより明確に把握できるようになった。患者全員が一般診療医を受診したりNVWAに報告したりするわけではないため、上記の食品由来感染症および食中毒の患者数は実際の数より少なく見積もられている。汚染食品の喫食によるオランダの年間患者数は約680,000人と推定されている。



国立医薬品食品衛生研究所安全情報部