(食品安全情報2015年11号(2015/05/27)収載)
アイルランド食品安全局(FSAI)は、輸入されたすべての冷凍ベリー類を喫食前に1分以上煮沸するよう消費者に再度の注意喚起を行った。最近、輸入冷凍ベリー類の喫食に関連して、スウェーデンでノロウイルス感染アウトブレイクが、オーストラリアでA型肝炎アウトブレイクが発生した。これらのアウトブレイクに関連したバッチのベリー類がアイルランドに輸入されたことを示す記録はないが、改めて注意を促すためにこの助言が発表された。
スウェーデンのノロウイルス感染アウトブレイクは5月初旬に介護施設で発生し、患者70人と、このアウトブレイクに関連している可能性がある死亡者3人が報告されている。微生物学的検査により、セルビアから輸入された冷凍ラズベリーが感染源であることが確認された。スウェーデン国内での食品安全に関する助言に反し、輸入冷凍ラズベリーは非加熱でデザートに使用されていた。オーストラリアでは輸入冷凍ベリー類に関連して、患者が30人を超えるA型肝炎アウトブレイクが2015年2〜3月に発生した。
FSAIは、2013年に輸入冷凍ベリー類に関連したA型肝炎アウトブレイクの調査を行った際に、輸入冷凍ベリー類はすべて煮沸するようにという助言を初めて発表した。この助言は、関連したアウトブレイクが欧州で発生したことを受けて2014年に更新された。アイルランドのアウトブレイクは、欧州連合(EU)加盟12カ国で計1,000人以上の患者が発生した複数国にわたる1件のアウトブレイクの一部であることが明らかになった。欧州規模の調査で感染源は確認されなかったが、食品業者12社に由来する複数のバッチの冷凍ベリー類が5カ国の患者に関連していた。
(食品安全情報(微生物)No.19 / 2014 (2014.09.17)、No.19 / 2013 (2013.09.18)、No.15 / 2013 (2013.07.24) FSAI記事参照)