欧州食品安全機関(EFSA)からのノロウイルス関連情報
http://www.efsa.europa.eu/


非動物性食品中の病原体がもたらすリスクに関する科学的意見(パート2:サラダとして生で喫食される葉物野菜におけるサルモネラおよびノロウイルス)
Scientific Opinion on the risk posed by pathogens in food of non-animal origin.
Part 2 (Salmonella and Norovirus in leafy greens eaten raw as salads)
EFSA Journal 2014;12(3):3600
Published: 27 March 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/doc/3600.pdf (報告書PDF)
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3600.htm

(食品安全情報2015年1号(2015/01/07)収載)


 サラダとして生で喫食される葉物野菜は、最小限の加工を経て広く喫食される食品である。今回、農場での生産および加工を含むフードチェーンの各段階で発生する葉物野菜のサルモネラ属菌汚染およびノロウイルス汚染について、そのリスク因子を検討した。葉物野菜でのこれらの病原体(指標菌としての大腸菌(Escherichia coli)も含む)の推定汚染率を評価し、さらに汚染低減対策の具体的な選択肢の検討と定性的評価を行った。

 各農場の環境は、葉物野菜生産における病原体の汚染および生残に影響をおよぼす可能性がある多数の要素の固有の組合せを表していると結論付けられた。葉物野菜の生産者は、適正農業規範(GAP)、適正衛生規範(GHP)および適正製造規範(GMP)などの食品安全管理システムの適切な実施を第一の目的とすべきである。葉物野菜の生産・加工・小売/食品提供の各段階に適用可能な微生物規格基準(microbiological criteria)の妥当性が検討された。現行の法的枠組みでは、一次生産段階に適用してGAPおよびGHPの達成レベルを検証できるような微生物規格基準は設定されていない。本報告書では、葉物野菜の一次生産段階に衛生規格基準(Hygiene Criterion)を設定することが提案され、その目的に適うものとして大腸菌が特定された。大腸菌についての既存の工程衛生規格基準(Process Hygiene Criterion)を葉物野菜の包装施設またはカット施設に適用することによりGAP、GHP、GMPまたはハサップ(HACCP)プログラムがどの程度実施されているかの指標が得られると考えられる。葉物野菜におけるサルモネラに関する現行の食品安全規格基準(Food Safety Criteria)は、生産者と加工業者に製品のサルモネラ汚染は許されないことを伝えるツールとなり得る。葉物野菜でのノロウイルスの汚染率および感染性に関する研究は少なく、ウイルス量に関する定量的データも十分ではないため、葉物野菜のノロウイルス汚染に関して微生物規格基準を設定することは困難である。


(関連記事)

葉物野菜中のサルモネラおよびノロウイルスのリスク評価
EFSA assesses the risk of Salmonella and Norovirus in leafy greens
27 March 2014
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/140327a.htm?wtrl=01


(食品安全情報(微生物)No.22 / 2014 (2014.10.29)、No.14 / 2014 (2014.07.09) EFSA記事参照)



国立医薬品食品衛生研究所安全情報部