(食品安全情報2014年14号(2014/07/09)収載)
米国疾病予防管理センター(US CDC)は、食品由来疾患アウトブレイクに関する2011年および2012年の年次報告書2報を発表した。これらの報告書のデータは、食品由来疾患アウトブレイクのヒトへの影響を示すのに役立つ。
アウトブレイク件数および病因物質
食品由来疾患アウトブレイク(2011〜2012年)
・単一の病因物質が検査機関で確定したアウトブレイクの件数:793件
・最も頻繁に検出された病因物質
ノロウイルス:単一病因物質確定アウトブレイクの41%
サルモネラ :同25%
アウトブレイク関連の患者数およびその病因物質
・単一の病因物質が確定したアウトブレイクに関連した患者数:18,880人(65%)
・そのうちの入院患者数:1,501人(8%)
・アウトブレイク関連患者数が最も多かった単一確定病因物質
ノロウイルス:単一病因物質確定アウトブレイク関連の患者の46%
サルモネラ :同34%
アウトブレイクの発生場所
単一の調理場所が特定されたアウトブレイクのうち、件数が最も多かった調理場所(調理者)は
・レストラン、特に着席スタイルのレストラン:上記アウトブレイクの60%
・仕出し業者または宴会施設:同13%
・家庭:同13%
病原体と原因食品
2012年のアウトブレイクで最も多くの患者、入院患者および死亡者の原因となった病原体と食品の組み合わせは
・患者
サルモネラと果物(446人)
サルモネラと魚類(425人)
サルモネラと鶏肉(345人)
・入院患者
サルモネラと鶏肉(109人)
サルモネラと果物(55人)
サルモネラと魚類(55人)
・死亡者
リステリアと乳製品(5人)
カンピロバクターと鶏肉(4人)
原材料が単一の食品カテゴリーに属する食品によるアウトブレイク192件のうち、アウトブレイクが最も多く発生した食品カテゴリーは
・魚類(16%)
・野菜(row crops)(12%)
・乳製品(10%、ほぼすべて未殺菌製品)
○カンピロバクター症アウトブレイクの件数が2009年以降に増加
カンピロバクター症アウトブレイクの件数は2009年の15件から、2010年は25件、2011年は30件、2012年は37件へと増加した。2011年および2012年のアウトブレイクのうち37件が食品に関連し、未殺菌乳(生乳)によるアウトブレイクが最も多かった。
図:カンピロバクター症アウトブレイク件数の増加(Foodborne Disease Outbreak Surveillance System : FDOSSより)