(食品安全情報2013年2号(2013/01/23)収載)
2013年1月3日付けのEurosurveillance誌に、ノロウイルス遺伝子型GII.4の新しい変異株「Sydney 2012」に関する論文が掲載されている(http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=20345)。
英国健康保護庁(HPA)は、サーベイランスの一環として、イングランドおよびウェールズの患者由来のノロウイルス株について遺伝子検査を行っている。患者が増え始めた2012年10月に行った検査では、Sydney 2012およびNew Orleans 2009などの様々な株が検出されたが、特定の1種類の優勢な株はなかった。最近のアウトブレイクに関連して今週終了した最新の検査では、Sydney 2012株が優勢であった。
Sydney 2012株はオーストラリアで初めて検出された後、フランス、ニュージーランドおよび日本でも見つかっている。この新しい株への感染によって症状が他の株より重症化することはなく、予防法は他の株の場合と同じである。すなわち手洗いの励行であり、特にトイレの後や食事の前には丁寧に欠かさず行うことである。
(食品安全情報(微生物)No.1/2013(2013.01.09) Eurosurveillance記事参照)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/noro/noro2013/n-eurosurv1301.html