(食品安全情報2013年2号(2013/01/23)収載)
2013年1月14日、米国食品医薬品局(US FDA)は、感染性胃腸炎の原因となる一般的なウイルス・細菌・寄生虫のうち11種類を患者由来の1検体で同時に検査できる初めての検査キットの市販を認可した。
この検査キットxTAG GPPはマルチプレックスPCR検査キットであり、胃腸炎に関連する以下の病原体を検出する。
・ 細菌:カンピロバクター、Clostridium difficile毒素A/B、大腸菌O157、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)毒素LT/ST、サルモネラ、赤痢菌、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)stx1/stx2
・ ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルスA
・ 寄生虫:クリプトスポリジウム、ジアルジア
本製品の製造業者は、感染性胃腸炎が疑われる患者1,407人から採取した検体のxTAG GPPによる検査の結果を、上記11種類のウイルス・細菌・寄生虫をそれぞれ効果的に検出することが知られている病原体別の検査の結果と比較し、xTAG GPPの検出力を示した。この製造業者は、さらに、以前に感染性胃腸疾患が確定した患者由来の203検体と、感染性胃腸炎が疑われる小児科の患者由来の313検体の検査も行った。その結果は病原体別の検査の結果とほぼ同じであった。偽陽性のリスクがあるため、xTAG GPP検査での全ての陽性検体には追加検査による確認が必要である。