(食品安全情報2012年25号(2012/12/12)収載)
英国健康保護庁(HPA)の最新の集計によると、病院でのノロウイルス感染アウトブレイクの件数は2012年11月25日までの2週間の53件から12月2日までの2週間には40件に減少した。
しかし、ノロウイルスの今シーズンの検査機関確定患者数(コミュニティ関連の患者および病院関連の患者)は現在2,313人で、昨シーズン同時期の1,412人より64%増加している。この増加について明らかな理由は示されていない。
報告される検査機関確定患者はコミュニティ関連の実際のノロウイルス患者のごく一部に過ぎず、確定患者1人につき未報告患者が288人存在すると推定されている。
HPAは、ノロウイルスサーベイランスの一環として英国国営医療サービスの相談窓口(NHS Direct)からデータを収集している。最近1週間のNHS Directへの問い合わせの分析によると、下痢に関する問い合わせの割合には変化がなく季節的に予想されるレベル内である。嘔吐に関する問い合わせの数は減少しているが、それでもこの時期の例年のレベルを超えている。
ノロウイルスの流行に対処するための一般住民への助言
・かかりつけの医師または救急外来を受診しない。ノロウイルス感染は自己限定的な疾患で、治療しなくても自然に回復する。しかし、脱水を補うため水分を多く摂取することが重要である。
・家庭での対処に関する助言を得たり、最適な医療機関の利用について情報を得るために、下痢および嘔吐に関するNHS Directの新しい健康・症状オンラインチェックシステムを利用する。
・手洗いを丁寧かつ頻繁に行い、特にトイレの後や食事の前には必ず行う。
・病院や介護施設では、感染を広めて罹患しやすい人々を危険に曝す恐れがあるため、それらの施設にいる友人や家族・親戚を訪問しない。