ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からのノロウイルス関連情報
http://www.bfr.bund.de/


小児および若年者の間で発生した急性嘔吐・下痢のアウトブレイクが終息:原因を特定
Outbreak of acute vomiting with diarrhoea in children and youths over, cause identified
08.10.2012
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2012/32/outbreak_of_acute_vomiting_with_diarrhoea_in_children_and_youths_over__cause_identified-131816.html

(食品安全情報2012年21号(2012/10/17)収載)

 2012年9月下旬にドイツの東部5州で嘔吐・下痢を呈する食品由来疾患のアウトブレイクが発生したが、10月第1週の週末以降には新規患者が報告されていない。ロベルト・コッホ研究所(RKI)が行った疫学調査により、可能性の高い感染源として冷凍イチゴ1バッチが特定された。RKIは連邦各州の関係当局と協力し、当該イチゴを市場から的確に回収した。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、アウトブレイクがどのように発生したかに関して引き続き調査を行っている。

 今回のアウトブレイクは既に終息したと考えられる。新規患者発生(発症日)のピークは9月25〜27日であった。10月第1週の週末にザクセン州の小児施設から数件のアウトブレイクが報告されたが、これらも当該の1バッチの冷凍イチゴと関連していた。この週末以降に新規患者の発生は確認されていない。

 RKIが地域および国の関係当局と協力して行った疫学調査により、冷凍イチゴを使用した料理が感染源である可能性が極めて高いことが示された。その後、ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL: Federal Office of Consumer Protection and Food Safety)を拠点とするタスクフォースは流通経路調査の対象を1バッチの冷凍イチゴに絞ることができた。このイチゴの一部は喫食前に加熱せずに提供されていたため、このバッチが感染源として特定された。

 その後、ザクセン州消費者保護省(Ministry of Consumer Protection of Saxony)の委託を受けたザクセン・アンハルト州の消費者保護庁(Office of Consumer Protection of Saxony-Anhalt)は、当該冷凍イチゴの検体からノロウイルスを初めて検出した。

 合計すると数百の施設で患者計11,000人以上が発生し、ドイツで史上最大規模の食品由来胃腸疾患アウトブレイクとなった。検査を受けた患者からはかなり高い割合でノロウイルスが検出された。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部