世界保健機関(WHO)からのノロウイルス関連情報
http://www.who.int/en/


食品安全ニュース No. 41
Food Safety News No 41
2 February 2011
http://www.who.int/foodsafety/publications/newsletter/41/en/index.html
http://www.who.int/foodsafety/publications/newsletter/41enfr.pdf

(食品安全情報2011年3号(2011/02/09)収載)

 食品安全ニュースNo. 41が発行された。このうち、微生物に関連する記事を紹介する。

○WHO食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ(FERG)の第4回公式会議
Fourth formal meeting of the Foodborne Disease Burden Epidemiology Reference Group (FERG) in Geneva, 8-12 November 2010
http://www.who.int/foodsafety/foodborne_disease/ferg4/en/index.html

 2010年11月8〜12日、WHO食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ(FERG:Foodborne Disease Burden Epidemiology Reference Group)の第4回公式会議がジュネーブで開催された。本会議の主な目的は、過去12ヶ月間の進捗状況に関する議論および各タスクフォースの活動計画にもとづいた活動のレビューや修正を行う機会をメンバーに提供することである。

 食品由来疾患分野では以下の項目に関する中間結果について検討が行われた:
 化学物質/毒物:アフラトキシン、カドミウム、キャッサバのシアン化合物、ダイオキシン、有機リン、鉛
 寄生虫:エキノコックス多包条虫(キツネ条虫)、アニサキス症、食品由来吸虫、腸内原虫、有鉤条虫(ブタ条虫)、トキソプラズマ症、トリヒナ症
 腸内病原体:下痢性疾患、ブルセラ症、A型肝炎、ウシ結核、ノロウイルス

 FERGは今後の各国パイロット調査用に開発されたプロトコルの検討も行った。パイロット調査は2011年初めに開始される予定である。

○WHO食品由来疾患被害実態疫学リファレンスグループ(FERG)関係者会議
WHO FERG Stakeholder Meeting 2010
FERG Stakeholder Meeting 2010
http://www.who.int/foodsafety/foodborne_disease/ferg4_stakeholder/en/index.html

 第4回FERG関係者会議が2010年11月11日にスイスのジュネーブで開催され、関係者、専門家およびWHO事務局のメンバーが集まった。

 任命された研究員から、アフラトキシンおよび食品由来吸虫の2分野において予備的な結果が示された。食品由来吸虫は、感染した魚介類の喫食によりヒトに感染する寄生虫である。19カ国だけ(世界の人口の20%にあたる)で患者は数百万人、死者は数千人に達しているが、これらはいずれも予防可能である。これらの推定はまだ暫定値であり改良が必要であるが、2010年初期に示した食品由来疾患による世界的な実被害に関する全体像を補完するものである。

2011年初めに開始される各国におけるパイロット調査
Taking it to the countries: pilot country studies set for early 2011

 食品由来疾患の実被害に関するパイロット調査の第1回目の実施国として、これに関心を示す国々から、アルバニア、日本、ウガンダおよびタイが選出された。

 これらの疾患の実被害調査により、世界的な被害実態が把握できるだけでなく、各国独自の調査の実施が可能となり、データの共有が推進される。調査の主要な要素は対策分析であり、食品安全政策および政策決定において実被害データの利用が促進されることになる。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部