(食品安全情報2007年11号(2007/05/23)収載)
2006年、ニュージーランドでは食品由来疾患のアウトブレイクが146件発生し、このうち57件(39.0%)には特定の病原物質との関連性が認められなかった。最も多かった病原体はCampylobacter (32件)、次いでノロウイルス(23件)、C. perfringens (12件)、Salmonella (10件)であった。種類別では、腸内細菌(Campylobacter, Salmonella及びShigella)が30.1% (44件)を占め、細菌が産生する毒素(C. perfringens, ヒスタミン、Bacillus cereus及びscromboidが13.0% (19件)、腸内ウイルス(ノロウイルス及びA型肝炎ウイルス)が16.4% (24件)、腸内原虫(Giardia)が1.4% (2件)を占めた。
感染源については146件のうち19件(13.0%)で同定され、疑いのある食品が特定されたのが63件(43.2%)、46件では特定されず、18件は不明と記録されている。主な感染源は鶏肉(22件)、食肉(17件)及び米飯/麺/パスタ(14件)であった。患者数が最も多かったのは鶏肉(150人)及び貝類(142人)であった。
発生要因としては、冷却または冷蔵時などの時間と温度が不適切であったことが32.9%(48件)、食品の交叉汚染が28.8% (42件)、不適切な保温が14.4% (21件)、調理前の不適切な保存が14.4% (21件)であった。