ノロウイルスによる胃腸疾患患者の検便検体中において、遺伝子型II(Genotype II:GII)のcDNAウイルス量の中央値が遺伝子型I(GI)より100倍以上多いことが判明した。GIとGIIと同時感染している9検体のうち7検体で、GIよりGIIのcDNAウイルス量が多かった。また、検体を採取したいずれの月においても、GIIのcDNAウイルス量がGIより多かった。
Fecal Viral Load and Norovirus-associated Gastroenteritis
Emerging Infectious Diseases, Volume 12, Number 8,August 2006
(食品安全情報2006年15号(2006/07/19)収載)
cDNAウイルス量の増加により、糞便−経口経路によるGIIの伝播が促進されると考えられる。他のウイルスに関する研究でも、ウイルス量と患者発生との間に相関関係が強いことは示唆されている。しかし、ウイルスの排泄パターン及びcDNAウイルス量がノロウイルスの疫学的特徴及び臨床症状にいかに関与しているかについては、さらに調査が必要である。
http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/wk/mm5514.pdf
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部