2005年6月から9月、ポーランドから輸入した冷凍ラズベリーによるノロウイルス感染のアウトブレイクが6件発生し、合計1,000人以上が感染した。このうち2件は以前に報告されている。いずれのアウトブレイクでも、冷凍ラズベリーを使用した加熱されない料理が関連しており、最初の5件では、同じバッチの冷凍ラズベリーが使われていた。
2005年5月末にAalborgの病院で起こったアウトブレイクで、感染源として初めて冷凍ラズベリーが特定され、該当するバッチが回収された。回収が遅れたため、6月に給食宅配サービスによって高齢者の間で2件目のアウトブレイクが起こった。約400人（年齢中央値85歳、範囲41〜102歳）が感染し、少なくとも23人が入院した。
回収が効果的に行なわれなかったために、8月に2件のアウトブレイクが起こった。このため、冷凍ラズベリーについて警告が出され、担当機関が回収手順について協議した。
9月の最後のアウトブレイクは、異なる輸入業者と製造業者によるラズベリーが感染源であった。会社の食堂で提供されたラズベリーを使用した料理の摂食が疾患と関連していており（リスク比12.2, 95% CI 3.2-4.7）、発症率は82%であった。
現在、冷凍ラズベリーのサンプルをノロウイルスの検査中である。5件の患者の検便検体はいずれもノロウイルス陽性であったが、遺伝子グループはGGII.4, GG II.bおよびGG II.7と異なっていた。細菌検査はすべて陰性であった。輸入されたラズベリーは、ポーランドの複数の異なる農場で栽培されており、ポーランドの食品担当機関が調査を依頼された。
以上の情報の詳細はヨーロッパ早期警告・対応システム(EWRS), 食品及び飼料に関する早期警戒システム (RASFF)http://europa.eu.int/comm/food/food/rapidalert/index_en.htmおよびFoodborne Viruses in Europe network (FBVE)http://www.eufoodborneviruses.co.ukに報告された。ポーランド産ラズベリーはヨーロッパ各国に輸出されているため、冷凍ラズベリーに関連性のあるノロウイルス感染が起こった場合は、情報の提供が望まれている。
http://www.eurosurveillance.org/ew/2005/050922.asp#2