Questions and Answers on influenza A(H7N9)
11 April 2013
http://www.oie.int/for-the-media/press-releases/detail/article/questions-and-answers-on-influenza-ah7n9/
(食品安全情報2013年8号(2013/04/17)収載)
中国で鳥インフルエンザA(H7N9)患者が発生していることを受け、国際獣疫事務局(OIE)はこれに関するQ&Aを発表した。その中から一部を紹介する。
鳥インフルエンザA(H7N9)が発生した国からの家禽の輸入についてのOIEの推奨事項はどのようなものか
自国への病原体の侵入を防ぐために輸入国が行うリスク分析は種々のOIE規準にもとづいており、非常に複雑なものである。
輸出国で低病原性インフルエンザH7ウイルスのアウトブレイクが発生した場合の貿易に関する推奨事項は、OIEの陸生動物衛生規約(Chapter 10.4; 2013)に記載されている。これらは科学にもとづくもので、不当な貿易障壁になってはならない。推奨事項には動物群の生産地別の管理および検査が含まれている。
食品安全に関する推奨事項としてどんなものがあるか
鳥インフルエンザに関連する公衆衛生リスクは何か
鳥インフルエンザウイルスは種特異性が高いが、稀に種間障壁を超えてヒトに感染することがある。鳥インフルエンザを季節性のヒトインフルエンザ(一般にヒトH1およびH3ウイルスが原因)と混同してはならない。鳥インフルエンザウイルスのヒトへの伝播は、感染した鳥または汚染レベルの高い環境との密な接触によって起こる。
今まで、ヒトでの発症は動物由来の高病原性ウイルスの伝播に関連していた。今回、中国からOIEに報告された鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスは家禽では低病原性である。ヒト患者との関連について、ゲノム上の類似性が示されたため、調査が行われている。
ヒトに感染する可能性があるため、鳥インフルエンザウイルス感染が疑われる家禽と接触したり、これを取り扱う仕事に従事している者は、防護服、マスク、ゴーグル、手袋、ブーツなどを着用することが推奨される。
家禽農場ではどのような予防策が推奨されるか
家禽生産者は、飼育群へのウイルスの侵入を防ぐために、以下のようなバイオセキュリティ対策を継続して実行することが必要である。
- 野鳥が頻繁に飛来する場所から離れた所で家禽を飼育する。
- 人や器具が鶏舎に出入りすることを制限する。
- 野鳥を農場に引き寄せるような要因を作らない。
- 農場、鶏舎および器具などの衛生管理を行う。
- 健康状態が不明の個体を飼育群に入れない。
- 家禽に病気や死亡が発生した場合は報告する。
- 堆肥および家禽の死体を適切に処理する。
- 必要な場合は家禽にワクチン接種を行う。
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部