(食品安全情報2013年9号(2013/05/01)収載)
中華人民共和国でヒトへの感染が明らかになっている鳥インフルエンザH7N9ウイルスは、現時点でカナダの鳥やヒトからは検出されていない。カナダは中国から生の家禽肉製品や生きた鳥類を輸入していない。
しかし、鳥インフルエンザウイルスは野生の鳥の間で伝播することが知られており、飼育家禽類にも感染する可能性がある。カナダ食品検査庁(CFIA)は、家禽生産業者および個人の小規模飼育者に対し、各自の飼育群を保護するバイオセキュリティ対策の重要性について再認識を促している。
家禽類の健康の保護に役立つ重要なバイオセキュリティ対策は以下の通りである。
国際獣疫事務局(OIE)は、現在中国で広がっているH7N9ウイルスは家禽類では低病原性であるがヒトにも感染するとしている。このウイルス株やその他の低病原性鳥インフルエンザウイルスに感染した家禽類では、感染の徴候が、ほとんど、あるいは全く見られない可能性がある。
CFIAは、カナダ国内の野生の鳥と飼育家禽群の両者において、サブタイプH5およびH7の鳥インフルエンザウイルスの感染をモニターしている。これら2つのサブタイプは低病原性から高病原性に変異する可能性があり、その結果、鳥で死亡率が上昇しヒトへの感染も起こり得る。CFIAは現在の中国の状況を踏まえ、野生の鳥に対するサーベイランスを強化するため、関係機関と協力して種々の方策を検討している。