国連食料農業機関(FAO)からのインフルエンザA(H1N1)関連情報


国連食料農業機関(FAO)が各国におけるブタのH1N1モニタリング強化を要望(2009年5月4日)
FAO urges countries to closely monitor H1N1 in pigs
4 May 2009
(食品安全情報2009年10号(2009/5/7)収載)

 国連食料農業機関(FAO : Food and Agriculture Organization of the United Nations)は各国機関および農場従事者に対してブタにおける症状に注視し、インフルエンザ様症状が見られた際には調査を行うよう要望した。
 インフルエンザウイルスはヒトから動物へ伝播することが可能であり、カナダにおける事例によりパニックを起こす必要はないが、ヒトと動物の間でのウイルス伝播経路には注視しておくべきである。ブタの呼吸器疾患のサーベイランスを強化し、全ての検出症例を獣医関連機関に報告すべきである。またブタにおいてA/H1N1インフルエンザウイルスアウトブレイクが発生した際には国際獣疫事務局(OIE)およびFAOに報告することを推奨する。
 呼吸器疾患の症状を呈しているブタが確認された農場や豚舎では、診断できるまでの間はブタ、物およびヒトの移動制限を含めた厳格なバイオセキュリティ対策を行うべきである。A/H1N1インフルエンザウイルスが確認された場所では、最後に発症を確認した動物が回復した7日後までは動物の移動制限を行うべきである。各国政府は特に中小規模の養豚農家に対してバイオセキュリティ対策を向上させる支援を行うべきである。呼吸器症状、発熱もしくはインフルエンザ様症状を呈している農場従事者は仕事を休むべきである。動物取扱者および獣医師は感染リスクを最小限にするために防護服の着用が推奨される。
 FAOはA/H1N1インフルエンザウイルス蔓延対策としてブタを淘汰する必要性は全くないと強調した。またA/H1N1インフルエンザウイルスは豚肉および豚肉製品を介してヒトへは伝搬しないと強調した。FAO/WHOコーデックス委員会およびOIEにより推奨されている優良衛生規範に沿って取り扱われた豚肉および豚肉製品は、感染源とはなり得ない。
http://www.fao.org/news/story/en/item/19365/icode/


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部