(食品安全情報2020年7号(2020/04/01)収載)
欧州食品リスク評価(European Food Risk Assessment:EU-FORA)フェローシップ・プログラムにおいて、カンピロバクター(Campylobacter jejuni)ゲノムの分子タイピングおよびWGS(全ゲノムシークエンシング)にもとづくリスク評価ツールの作成について実践的学習による研修が行われた。この研修は主に2つの内容で構成されており、1つはリスク評価の手法に重点を置いた研修で、もう1つはEFSAと研修者の自国機関との相互協力またはその他の共同活動の立ち上げおよび強化に関する研修であった。1つ目の研修は3つのワークパッケージ(WP)に分かれており、WP1はデータ編成、WP2はクラスター解析および連関解析、WP3はリスク評価モデルの作成に関するものであった。2つ目の研修は、ワークショップ1つと、EFSAと自国機関の協力プログラムの始動に分かれていた。研修生は第4四半期に、CLEFSA(気候変動と食品安全に対する新興リスク:Climate change and Emerging risks for Food Safety)プロジェクトの一環として、気候変動の影響を受ける可能性のある一部病原体の性状解析に携わった。研修生は、オンラインおよび現場のコースなど様々な形式の研修を受け、カンピロバクターのリスク評価と感染源特定に関する知識と技能の向上に役立つ複数の学会および会議にも参加した。