The European Union summary report on antimicrobial resistance in zoonotic and indicator bacteria from humans, animals and food in 2017
EFSA Journal 2019; 17(2):5598
Published: 26 Feb 2019
https://ecdc.europa.eu/sites/portal/files/documents/EU-summary-report-antimicrobial-resistance-zoonotic-bacteria-humans-animals-2017-web.pdf（報告書PDF、ECDCサイト）
https://ecdc.europa.eu/en/publications-data/european-union-summary-report-antimicrobial-resistance-zoonotic-and-indicator-5（ECDCサイト）
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.2903/j.efsa.2019.5598（報告書PDF、EFSAサイト）
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5598（EFSAサイト）
（食品安全情報2019年14号（2019/07/10）収載）
欧州食品安全機関（EFSA）および欧州疾病予防管理センター（ECDC）は、人獣共通感染症細菌および指標細菌の抗菌剤耐性について、欧州連合（EU）加盟28カ国から提出された2017年のデータの解析を共同で行った。ヒト・動物・食品由来の人獣共通感染性サルモネラおよびカンピロバクター、また、動物・食品由来の指標大腸菌およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）について、抗菌剤耐性とその時間的傾向の解析が行われた。微生物学的耐性の評価には疫学的カットオフ（ECOFF）値が使用されたが、一部の加盟国のヒト由来株については定性的データにECOFF値の使用にほぼ相当する方法を適用することにより微生物学的耐性の評価が行われた。
解析結果の概要は以下のとおりである。
- ヒト由来サルモネラ分離株、肥育ブタと1歳未満の子牛由来のサルモネラ分離株および大腸菌分離株では、アンピシリン、スルホンアミドおよびテトラサイクリンへの耐性率が高かったが、第三世代セファロスポリン系への耐性は稀であった。
- 食肉（豚肉、牛肉）、肥育ブタ、子牛由来のサルモネラおよび大腸菌、およびヒト由来のサルモネラにおける基質特異性拡張型βラクタマーゼ（ESBL）／AmpC型βラクタマーゼ産生推定株の出現率／汚染率は、国によって様々であった。
- 加盟1カ国で、カルバペネマーゼ産生性大腸菌が肥育ブタ由来の1検体から検出された。
- 肥育ブタ、子牛およびその食肉に由来するサルモネラと大腸菌、およびヒト由来のサルモネラで、コリスチン耐性が低レベルでみられた。
- ヒト由来のカンピロバクターでシプロフロキサシンおよびテトラサイクリンへの耐性が高レベル〜極めて高レベルでみられ、特にCampylobacter coliで顕著であった。
- 加盟5カ国では、ヒト由来のC. coliでエリスロマイシンへの耐性も高レベル〜極めて高レベルでみられ、重症のカンピロバクター感染症の治療の選択肢を少なくしている。
- 肥育ブタ由来のC. coliでもシプロフロキサシンおよびテトラサイクリンへの耐性が高レベルでみられたが、エリスロマイシンへの耐性はそれよりかなり低いレベルであった。
- ヒトおよび動物由来株で、極めて重要な抗菌剤への共耐性は一般的に稀であったが、ヒトおよび動物由来のSalmonella Typhimuriumおよびその単相性変異株では多剤耐性が非常に高レベル〜極めて高レベルで認められた。
- ヒト由来のS. Kentucky株は高いESBL保有率に加え、高レベルのシプロフロキサシン耐性も示した。
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欧州食品安全機関（EFSA）
EUにおける抗菌剤耐性は改善される気配がない
Antimicrobial resistance shows no signs of slowing down
26 February 2019
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/190226
国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部