(食品安全情報2017年23号(2017/11/08)収載)
英国食品基準庁(UK FSA)は、市販の英国産生鮮鶏肉のカンピロバクター汚染レベルに関する3年目の年次調査の最終結果を発表した。
1年を通じた市場全体の平均値として、最高レベルのカンピロバクター汚染(>1,000 cfu/g)を示した鶏肉の割合は6.5%であり、1年目の2014/15年の調査結果(19.7%)と比べ低下している。
第3年次調査の通年の結果
第3年次調査は2016年8月〜2017年7月に実施され、小売店舗から生鮮丸鶏計3,980検体が採取された。
調査の通年の結果から以下の知見が示された(表参照)。
2017年9月21日、FSAは、小売鶏肉のカンピロバクター汚染に関する年次調査の方法を変更すると発表した。市場シェアが上位の小売業者9社については、カンピロバクター汚染調査を各社が独自に行い、その結果を消費者向けウェブサイトに別個に発表することになり、今後、FSAによる年次調査の対象から外れる。これら9社による検体採取および検査はFSAが定めた明確なプロトコルに従って行われるため、今後もすべての結果が相互比較可能である。また、FSAは、検体の検証および業界の平均値算出のために生データにアクセスが可能で、かつ、検査結果に関する見解を公表する権利を有する。
FSAの年次調査は、今後、小規模加工業者から鶏肉を仕入れる可能性が高い小規模小売チェーン、個人商店、および市場の露店に対象を絞る予定である。
背景
食品由来のカンピロバクターは、英国における食中毒の最大の原因となっている。FSAはこの問題に取り組むため、フードチェーン全体にわたる活動の一環として、2014年2月から鶏肉のカンピロバクター検査を行い、その結果を発表してきている。
どの小売店で購入したものでも、すべての鶏肉にはカンピロバクター汚染のリスクがある。FSAおよび鶏肉業界はカンピロバクター汚染レベルの低減に重点を置き、近年、様々な対策を試行、導入、更新してきた。
表:第3年次調査(通年)における鶏肉検体のカンピロバクター陽性率(小売業者別、2016年8月〜2017年7月)
カッコ内は95%信頼区間(CI)
(食品安全情報(微生物)No.21 / 2017(2017.10.11)、No.14 / 2017 (2017.07.05) UK FSA記事参照)