英国食品基準庁(UK FSA)からのカンピロバクター関連情報
http://www.food.gov.uk/


市販鶏肉カンピロバクター汚染調査の第3四半期の結果を発表
Campylobacter quarter 3 results published
26 May 2016
https://admin.food.gov.uk/news-updates/news/2016/15162/campylobacter-quarter-3-results-published

(食品安全情報2016年13号(2016/06/22)収載)


 英国食品基準庁(UK FSA)は、小売店で販売されている生鮮鶏肉のカンピロバクター汚染調査に関し第3四半期(2016年1〜3月)の結果を発表した。第2四半期の場合と同様、今回も鶏肉のカンピロバクター陽性率および最高レベルの汚染を示した鶏肉の割合は、ともに昨年の当該期間に比べ低下した。

 最高レベルの汚染を示した鶏肉の割合は、今回、2014年12月〜2015年2月の21.8%から9.3%に低下した。鶏肉検体のカンピロバクター陽性率は、2014年12月〜2015年2月の71%から50%に低下した。第3四半期は計1,009検体の英国産の冷蔵生鮮丸鶏および同数の包装材について検査が行われた。


 FSAは、今回の調査で割合が低下した理由の1つは、いくつかの小売業者および納入業者が販売前の鶏肉から頸部皮膚を除去するという決断をしたことであるとしている。頸部皮膚は鶏肉の中で汚染レベルが最も高い部位であるため、その除去は消費者にとって良いことである。しかし、本調査では以前から頸部皮膚を検査対象としているため、その除去は以前の検査結果との比較の際の信頼度の低下を意味する。

 このような問題があるため、今四半期ではカンピロバクター汚染について全体の数値のみを発表し、これまでのような小売業者別の分析は行っていない。FSAは本調査の継続を既に中止しており、別の方法で鶏肉のカンピロバクター検査を行う新しい調査を夏季に開始する予定である。その最初の調査結果は2017年1月に発表される予定であり、小売業者のランク付けも行われる。


参考情報:小売り生鮮鶏肉のカンピロバクター汚染に関する第2期全英調査(2015年7月〜2016年3月)

 本調査は、冷蔵生鮮丸鶏およびその包装材のカンピロバクター陽性率および汚染菌量に関するもので、英国の小売チェーン店舗、小規模個人商店および食肉店で購入された丸鶏3,000検体以上について検査が行われた。第1、2および3四半期(検体採取期間:2015年7月〜2016年3月)のそれぞれの結果が発表されている。


(食品安全情報(微生物)No.10 / 2016 (2016.05.11)、No.7 / 2016 (2016.03.30)、No.1 / 2016 (2016.01.06)、No.21 / 2015 (2015.10.14) UK FSA記事参照)



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部