ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からのカンピロバクター関連情報
http://www.bfr.bund.de/


生乳(未殺菌乳):喫飲前の煮沸でカンピロバクター感染を予防
Raw milk: boiling protects against infection with Campylobacter
13 April 2016
http://www.bfr.bund.de/cm/349/raw-milk-boiling-protects-against-infection-with-campylobacter.pdf

(食品安全情報2016年10号(2016/05/11)収載)


 生乳(未殺菌乳)は有害な微生物に汚染されている可能性があることが知られている。生乳を取り扱う自動販売機が増加していることを受け、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、このような自動販売機で販売される生乳による食品由来カンピロバクター感染のリスクを評価した。このリスク評価では、生乳の販売施設数や自動販売機数の増加がカンピロバクター感染(カンピロバクター腸炎またはカンピロバクター症)アウトブレイク件数の増加と関連しているかどうかについての評価も行っている。検証済みの調査データがないため、BfRは、「自動販売機」から購入する生乳の喫飲の増加につながる消費者行動の変化がカンピロバクターアウトブレイクの件数を増加させているという作業仮説にもとづいて予備的評価を行った。生乳の主要な汚染源の1つとして、搾乳段階での糞便汚染が挙げられる。多くの既知の食品由来病原菌とは異なり、カンピロバクターは生乳中で増殖できない。しかし、カンピロバクターはごくわずかな細菌数でも感染が可能である。したがってBfRは消費者に対し、販売施設に表示されている「生乳-飲む前に煮沸すること」という指示に常に従うよう助言している。またBfRは、生乳を使用した非加熱の(冷たい)ココア飲料やミルクシェークなどを生乳の販売施設や自宅で作ったり喫飲したりしないよう助言している。(食品安全情報(微生物)本号、BfR記事「生乳の喫飲に関するQ & A」参照。)


BfRリスクプロファイル「生乳(未殺菌乳):喫飲前の煮沸でカンピロバクター感染を予防」

 ・ 背景色が濃青の欄は本リスク評価で示されたリスクの特性を記述している。
 ・ 本リスクプロファイルはBfRの意見に記載されたリスクを可視化するものであり、リスクの相互比較を可能にするものではない。リスクプロファイルはBfRの意見と共に読むべきである。
 ・ E:カンピロバクター感染のリスクは生乳を喫飲前に煮沸することで最小限に抑えることができる。


(食品安全情報(微生物)本号BfR 記事参照)



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部