米国農務省(USDA)からのカンピロバクター関連情報
https://www.usda.gov


米国農務省(USDA)が家禽肉製品のサルモネラおよびカンピロバクター汚染の新しい低減策を提案 ― 新基準の設定により新たに年間5万人の患者発生を予防可能と推定
USDA Proposes New Measures to Reduce Salmonella and Campylobacter in Poultry Products
New Standards Could Help Prevent an Estimated 50,000 Illnesses Annually
Jan. 21, 2015
http://www.usda.gov/wps/portal/usda/usdahome?contentid=2015/01/0013.xml&contentidonly=true

(食品安全情報2015年3号(2015/02/04)収載)


 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、鶏・七面鳥のひき肉製品および鶏の生の胸肉・脚肉・手羽肉におけるサルモネラおよびカンピロバクター汚染の低減策として、連邦の新しい基準を提案した。新基準の策定は、食肉・家禽肉製品によるサルモネラ感染の低減を目指して2013年12月から施行されているFSISの対サルモネラ行動計画(Salmonella Action Plan)での主要な一歩である。

 病原体汚染低減にかかわる達成基準は、食肉や家禽肉製品の製造施設の食品安全達成度をFSISが評価する際に用いる基準である。家禽ひき肉に関する達成基準をさらに厳格にすることにより家禽ひき肉の汚染が低減され、食品由来疾患の減少につながると考えられる。FSISは、1996年に丸ごとの鶏とたいに対し達成基準を設定したが、その後、鶏とたいが部分肉に加工される際にサルモネラ汚染レベルが上昇することが明らかになった。米国で市販されている鶏肉の80%を胸、手羽およびその他の部分肉が占めている。FSISは、鶏部分肉に対し基準を設定し、かつ、最終製品により近い段階で規則にもとづく検査を実施することで、サルモネラおよびカンピロバクターへの消費者の曝露を大幅に低減できるとしている。

 FSISの科学的リスク評価によれば、これら新基準の施行により毎年平均5万人の疾患発生を新たに予防できると推定される。FSISは、60日間にわたり一般意見を検討した後、最終的に決定した基準およびその施行時期を2015年春に発表する予定である。本件に関する連邦官報通知(Federal Register Notice)はFSISの以下のWebサイトから入手可能である。
http://www.fsis.usda.gov/wps/portal/fsis/topics/regulations/federal-register/federal-register-notices

 FSISは、鶏の部分肉・ひき肉および七面鳥ひき肉に対し、サルモネラ感染症患者を30%以上、カンピロバクター感染症患者を19〜37%、それぞれ低減することを目指した達成基準を提案している。

 FSISは、家禽とたい、およびとたい由来の種々の製品でのサルモネラやカンピロバクター汚染について、加工施設の各工程で効果的な対策が講じられているかどうかを評価するため、連続した数日間にわたる不定期なサンプリングではなく、年間を通じた定期的なサンプリングを実施することを計画している。


(食品安全情報(微生物)No. 17 / 2014 (2014.08.20) USDA記事参照)



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部