(食品安全情報2015年26号(2015/12/24)収載)
ニュージーランド一次産業省(MPI)は、生乳(未殺菌乳)は高リスク食品と考えられるとし、喫飲の際の注意を再度喚起している。
MPIの担当者は、生乳に関連した食品由来疾患患者が最近複数例見受けられたことから、消費者は、生乳の喫飲にはリスクがあることを理解し、忘れずにいることが重要であるとしている。
生乳とは、生残している可能性があるカンピロバクターやサルモネラなどの有害細菌を死滅させるための加熱殺菌処理が施されていない乳のことである。
生乳を喫飲する人の多くが必ずしもこのリスクを十分に理解しているとは限らず、乳中の有害細菌によって病気を発症する可能性があることに気付いていない。
妊婦、小児(特に乳児)、高齢者および免疫機能が低下している人は生乳の喫飲によって病気に罹るリスクが最も高く、その結果、より深刻な転帰や死につながる可能性もあるため、生乳を喫飲すべきではない。
動物からの搾乳をいかに注意深く行っても、有害細菌が乳中に混入するリスクは常にある。乳中に有害細菌が含まれているかどうかは味、外見、臭いなどでは分からないため、喫飲前に生乳を沸騰直前まで(または70°Cで1分間)加熱することが勧められる。
また生乳を冷蔵(4°C以下)することにより、喫飲した人が病気に罹る菌数まで有害細菌が乳中で増殖するリスクを低減させることができる。冷蔵庫の外に放置され温度が室温まで上昇した生乳は廃棄すべきである。
生乳を喫飲する人は、個人用および家庭用として生乳を農場から直接入手しなければならない。