アイルランド食品安全局(FSAI)からのカンピロバクター関連情報
http://www.fsai.ie/


生乳(未殺菌乳)は有害細菌を含む場合がある
Raw Milk Found to Contain Harmful Bacteria
10 March 2015
https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/raw_milk_survey_10032015.aspx

(食品安全情報2015年6号(2015/03/18)収載)


 アイルランド食品安全局(FSAI)が発表した報告書によると、生乳(未殺菌乳)は有害な細菌に汚染されている可能性があるため、これを喫飲すると食品由来疾患への罹患リスクが増大する。FSAIは、ヒトが直接喫飲する生乳の販売をアイルランドでは禁止すべきであるとの勧告を以前から行っており、公衆衛生を保護する最も効果的な方法は、乳幼児、小児、妊婦、高齢者、免疫機能低下者および慢性疾患患者に対し、有効な加熱処理(低温殺菌、煮沸など)を施した乳のみを提供することであると助言している。

 今回の報告書では、FSAIによる微生物学的調査の結果、生乳や搾乳装置のインラインフィルターから種々の病原菌が検出されたことが詳細に報告されている。リステリア(Listeria monocytogenes)およびカンピロバクターの検出率は、生乳検体ではそれぞれ7%および3%であったが、搾乳フィルター検体ではそれぞれ20%および22%と大幅に高く、これらの病原菌による生乳の潜在的な汚染リスクの高さが明らかになった。また、サルモネラが搾乳フィルター検体の1%および生乳検体の0.5%から検出され、さらにベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)O26がフィルター検体の6%から検出された。後者よりVTEC O26による生乳汚染のリスクが示された。

 FSAIの報告書「生乳(未殺菌乳)および搾乳フィルターの微生物学的サーベイランスプログラム(Raw Milk and Raw Milk Filter Microbiological Surveillance Programme)」の全文は以下のサイトから入手可能である。
https://www.fsai.ie/publications_survey_raw_milk/


(食品安全情報(微生物)No.2 / 2015 (2015.01.21)FSAI記事参照)



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部