(食品安全情報2015年12号(2015/06/10)収載)
英国食品基準庁(UK FSA)の発表によると、最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクター食中毒を発症する可能性がある。この数値は、現在のカンピロバクターの年間の感染者数が25万人以上であることにもとづいている。
カンピロバクターは生の鶏肉から最も頻度高く検出され、英国における食中毒の最大の原因である。FSAは、2015年の食品安全週間と「Chicken Challenge(鶏肉安全へのチャレンジ)」の開始を強調してこの数値を発表した。FSAは「Chicken Challenge」で、生産業者から消費者にいたるフードチェーン全体に対し、2015年末までにカンピロバクター食中毒患者数を半減させることへの協力を呼びかけている。
現在、英国では年間で推定28万人の国民がカンピロバクター食中毒を発症している。今後の国民の生活様式と食習慣にもよるが、FSAは最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクターに感染すると推定している。最近の研究から、最高レベルに汚染された鶏の数を減らすことにより、公衆衛生リスクを約50%低下させ、麻痺症状に至る場合もあるカンピロバクター食中毒の年間発生患者数を大幅に減らすことができることがわかった。
FSAはカンピロバクター汚染の低減を目指して家禽業界を指導してきており、現在、小売段階の冷蔵生鮮丸鶏およびその包装材のカンピロバクター汚染レベルについて1年間にわたる調査を行っている。2015年の目標を達成するため、養鶏業者や生産業者をはじめ食品提供業者や小売業者に至るまで、フードチェーンのすべての段階の業者と協力している。
「Chicken Challenge」は、鶏肉を喫食する人々に対し、自分自身と家族を守るために以下の事項を守ることを呼びかけている。
○Chicken habits consumer poll
http://www.food.gov.uk/sites/default/files/fsw-chicken-habits-consumer-poll.pdf