英国食品基準庁(UK FSA)からのカンピロバクター関連情報
http://www.food.gov.uk/


最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクター食中毒を発症する可能性がある
Up to one third of people at risk from Campylobacter food poisoning during their lifetime
18 May 2015
https://admin.food.gov.uk/news-updates/news/2015/13970/up-to-one-third-of-people-at-risk-from-campylobacter-food-poisoning-during-their-lifetime

(食品安全情報2015年12号(2015/06/10)収載)


 英国食品基準庁(UK FSA)の発表によると、最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクター食中毒を発症する可能性がある。この数値は、現在のカンピロバクターの年間の感染者数が25万人以上であることにもとづいている。

 カンピロバクターは生の鶏肉から最も頻度高く検出され、英国における食中毒の最大の原因である。FSAは、2015年の食品安全週間と「Chicken Challenge(鶏肉安全へのチャレンジ)」の開始を強調してこの数値を発表した。FSAは「Chicken Challenge」で、生産業者から消費者にいたるフードチェーン全体に対し、2015年末までにカンピロバクター食中毒患者数を半減させることへの協力を呼びかけている。

 現在、英国では年間で推定28万人の国民がカンピロバクター食中毒を発症している。今後の国民の生活様式と食習慣にもよるが、FSAは最多で国民の3人に1人が一生のうちにカンピロバクターに感染すると推定している。最近の研究から、最高レベルに汚染された鶏の数を減らすことにより、公衆衛生リスクを約50%低下させ、麻痺症状に至る場合もあるカンピロバクター食中毒の年間発生患者数を大幅に減らすことができることがわかった。

 FSAはカンピロバクター汚染の低減を目指して家禽業界を指導してきており、現在、小売段階の冷蔵生鮮丸鶏およびその包装材のカンピロバクター汚染レベルについて1年間にわたる調査を行っている。2015年の目標を達成するため、養鶏業者や生産業者をはじめ食品提供業者や小売業者に至るまで、フードチェーンのすべての段階の業者と協力している。

 「Chicken Challenge」は、鶏肉を喫食する人々に対し、自分自身と家族を守るために以下の事項を守ることを呼びかけている。

  • 生の鶏肉を保存する際は他の食品と別にして覆いをし、冷蔵庫の最下段に置く。
  • 菌が飛散するため、生の鶏肉は洗わない。
  • 生の鶏肉に接触した器具や手指などはすべて石けんと湯で洗う。
  • 鶏肉は、全体から湯気が出てピンク色の部分がなくなり、肉汁が透明になるまで完全に加熱する。

(参考アンケート結果)
○Raw meat consumer poll
https://admin.food.gov.uk/sites/default/files/fsw-raw-meat-data.xlsx

○Chicken habits consumer poll
http://www.food.gov.uk/sites/default/files/fsw-chicken-habits-consumer-poll.pdf



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部