(食品安全情報2015年5号(2015/03/04)収載)
米国食品医薬品局(US FDA)、米国疾病予防管理センター(US CDC)および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、4種類の主要な食品由来細菌が関連した疾患アウトブレイクについて、アウトブレイクデータを分析して原因食品を特定する方法を改善したと発表した。上記3機関は新しい方法に関する報告書を合同で発行した。
この報告書のタイトルは「サルモネラ、大腸菌O157、リステリア(Listeria monocytogenes)およびカンピロバクターによる食品由来疾患のアウトブレイクサーベイランスデータを用いた原因食品の推定(Foodborne Illness Source Attribution Estimates for Salmonella, Escherichia coli O157 (E. coli O157), Listeria monocytogenes (Lm), and Campylobacter using Outbreak Surveillance Data)」で、食品安全分析に関する省庁間協力(IFSAC:Interagency Food Safety Analytics Collaboration)により作成された。3機関の協力組織であるIFSACは、特定の食品由来疾患に最も広くあてはまる原因食品を推定するプロセスであるソースアトリビューションに重点的に取り組んでいる。
本報告書には、IFSACが用いた方法、および4種類の病原菌による疾患に対する各食品の推定寄与率などの結果が簡潔にまとめられている。CDCは、これら4種類の病原菌により米国で毎年190万人の食品由来疾患患者が発生すると推定している。
IFSACの取り組みにより、食品由来疾患を予防するための各機関の対策が強化されることが期待される。新しい推定値を他のデータと併用することで、特に、各機関による優先順位の決定、また規則、達成基準および対策の策定の支援が可能になると考えられる。新しく開発された方法は、食品を管理するための分類と合致した新しい食品分類法を採用しており、また、より新しいアウトブレイクデータを重視している。
報告書に述べられているように、IFSACは1998〜2012年に発生した約1,000件のアウトブレイクデータを分析し、サルモネラ、大腸菌O157、リステリアおよびカンピロバクターによる疾患発生で最も主要な原因となった食品カテゴリーを調査した。この分析のために、IFSACの専門家は全食品を17のカテゴリーに分類した。4種類の病原菌は、各疾患の発生頻度および重症度、また標的化した対策によりこれらの有意な低減が見込まれることから選択された。
本報告書では、結果を裏付ける方法や推定値に含まれる不確実性について説明されている。以下は結果の一部である。
IFSACの組織、活動の目的およびプロジェクトの詳細については、以下のサイトから入手可能である。
http://www.cdc.gov/foodsafety/ifsac/index.html (IFSACサイト)