Emerging Infectious Diseases (CDC EID)からのカンピロバクター関連情報
http://wwwnc.cdc.gov/eid/


食品由来疾患能動的サーベイランスネットワーク(FoodNet)− 20年間の活動実績(1996〜2015年)
Foodborne Diseases Active Surveillance Network-2 Decades of Achievements, 1996-2015
Emerging Infectious Diseases, Volume 21, Number 9-September 2015
http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/21/9/pdfs/15-0581.pdf
http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/21/9/15-0581_article

(食品安全情報2015年21号(2015/10/14)収載)


要旨

 食品由来疾患能動的サーベイランスネットワーク(FoodNet)は、米国の食品安全政策および疾患予防のための基盤を形成している。FoodNetは、主に食品を介して伝播する9種類の細菌性・寄生虫性病原体への感染が検査機関で確定した患者および溶血性尿毒症症候群(HUS)患者について、米国内の10カ所のサイトで住民ベースの能動的サーベイランスを行っている。FoodNetでは、州・連邦の研究者が協力し、胃腸疾患の動向の監視、感染源の特定、および随時の特別調査を行っている。FoodNetは主に以下の分野で実績を挙げてきた。すなわち、1)胃腸疾患に関する住民ベースの信頼性の高い能動的サーベイランスシステムの構築、2)散発性胃腸感染症のリスク因子および防御因子を特定するための疫学調査の考案と実施、3)各胃腸疾患の特徴、患者の医療機関受診行動、消費者による種々の食品の喫食頻度、検査機関での検査に係わる慣習などを把握するための、住民および検査機関を対象とした調査、4)新興課題への対応に適用可能な調査研究プラットフォームの開発、などである。臨床、検査および情報に関する技術が急速に変化しているため、FoodNetの現在の活動は今後ますます重要性が高まると考えられる。


表および図

表:食品由来疾患能動的サーベイランスネットワーク(FoodNet)の主要な実績(1996〜2015年)

*詳細はhttp://www.cdc.gov/foodnet/publications/index.html


図1:FoodNetでサーベイランスの対象とされる地域(米国、2004年〜現在)


図2:培養により確定したカンピロバクター、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157、リステリア、サルモネラ、ビブリオおよびエルシニアの各年の罹患率の1996〜1998年を基準とした相対値(FoodNet、1996〜2014年)。各折れ線は年ごとの罹患率を1996〜1998年の平均値と比較した時の相対値を示しており、実際の罹患率を示すものではない。2014年のデータは暫定データである。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部