(食品安全情報2011年14号(2011/7/13)収載)
欧州食品安全機関(EFSA)が7月5日に発表した報告書によると、もともとはエジプトの1業者からドイツの1業者に提供されたフェヌグリーク種子1バッチが今回のドイツとフランスのアウトブレイクを結び付けている可能性が最も高いと結論付けられた。
しかし、フェヌグリーク種子の問題のバッチと両アウトブレイクとを関連付けるエビデンスは決定的なものとは言えず、調査は継続中である。EFSAは、異なる種子間での交差汚染のリスクも排除できないとして、十分に加熱されていないスプラウト(sprouted seed)の喫食を避けるようにとの消費者向けの助言を変更していない。
英国食品基準庁(UK FSA)の助言にも変更はない。スプラウトは全体に火が通るまで十分に加熱したものだけを喫食し、生のまま喫食してはならない。発芽用に用いる設備は、使用後十分に洗浄する必要がある。また、栽培用または発芽用種子の取扱い前および後は、食品の調理時と同様、必ず手指を洗浄しなくてはならない。これらの助言については見直しが続けられている。
フランスのアウトブレイクに関連があるとされている英国の1業者は、現時点において、問題のバッチを輸入したドイツの業者を経由して関連するフェヌグリーク種子を受け取ったことが判明している唯一の英国の食品業者である。
その業者から採取した当該種子の検体については、現在大腸菌O104:H4の検査を行っている。しかしながらEFSAの報告書では、種子の検査結果によって全体像が示されるわけではないと強調している。アウトブレイクの感染源を確定する前に、出荷記録と疫学的エビデンスも考慮する必要がある。調査の一環として、UK FSAは種子の供給およびスプラウト生産の業界と協力して品質管理システムの評価も行っており、まもなく業界向けガイダンスを発行する予定である。