毒物又は劇物の漏洩・流出事故詳報一覧 (平成11年度)
整理番号 | 発生年月日 | 発生都道府県名 | 毒物又は劇物の別 | 毒物又は劇物の名称 | 事故の概要 | 事故発生事業所等の業態 | 事故の原因(推定含む) | 被害状況 |
1 | 1999/4/20 | 茨城県 | 劇物 | フェノール | タンクローリーで走行中,ローリー上部のデッキから約100ml道路上に流出した。 | 業務上取扱者 | 積載時ローリーデッキ部にこぼしたフェノールを回収していなかった。 | 特になし |
2 | 1999/5/20 | 鹿児島県 | 劇物 | 硝酸98% | 普通4tトラックで,濃硝酸移動容器(200L)4基を移送中,その内の1基から約200gのガスが漏洩した。 | 業務上取扱者 (運送業) |
容器のバルブ閉めが不完全で、確認も不十分であった。 | 特になし |
3 | 1999/5/24 | 熊本県 | 劇物 | トリクロロシラン | タンクローリ車に充填中、配管から漏出した。 | 製造業 | 充填配管の腐食 | 作業員1名に目の刺激あり。 |
4 | 1999/5/25 | 新潟県 | 劇物 | モノクロル酢酸(原体) | 配管修理作業後の運転開始時に、ドレンバルブから施設内の床面に約210L流出した。 | 製造業 | ドレンバルブ閉め忘れ | 従業員1名死亡。施設外への流出なし。 |
5 | 1999/6/16 | 東京都 | 劇物 | アンモニア水25% | モリブデン酸アンモニウムの製造工程中、反応釜を開けてアンモニア水を加え三酸化モリブデンを加えていたところ急激な反応が生じ、アンモニアガスが大量発生し、解放していた反応釜から工場外にも飛散した。 | 業務上取扱者 | 通常、三酸化モリブデンを加え、その後アンモニア水を加えるところ、逆の作業を行ったため、急激な発熱反応が生じたため。(作業ミス) | アンモニアガスが風下に流れ、周辺地域住民の一部に強い刺激臭による不快感があった。 |
6 | 1999/6/17 | 茨城県 | 劇物 | 塩化水素35%溶液 | パイプラインのドレインコックに機材が接触し、バルブを破損し100L漏洩した。 | 製造業 | 作業員の周辺確認不足 | 特になし |
7 | 1999/6/20 | 埼玉県 | 劇物 | アンモニア水29% | 貯蔵タンクからアンモニアガスが工場内に漏洩した。 | 製造業 | 配管途中のレギレーターのバルブ閉め忘れ | 特になし |
8 | 1999/6/21 | 埼玉県 | 劇物 | 水酸化ナトリウム45% | コンテナを運搬中、貯蔵施設の蛇口部分を破壊してしまい、約400Lが敷地内及び河川に流出した。 | 業務上取扱者 | フォークリフトの操作ミス | 流出した河川の魚が多数へい死した。 |
9 | 1999/7/9 | 千葉県 | 劇物 | 硫酸98% | パイプの腐食箇所から約5t漏洩し河川に流出した。 | 業務上取扱者 | 移送用のパイプの腐食 | 特になし |
10 | 1999/7/12 | 沖縄県 | 劇物 | アンモニア | 製氷施設において冷媒として用いているアンモニアの分岐バルブの腐食により流出した。 | 業務上取扱者 | 分岐バルブの腐食 | 特になし |
11 | 1999/7/16 | 岡山県 | 劇物 | 塩素酸ナトリウム | ドラム缶で希釈中、水道の蛇口からホースが外れ、ホースから逆流し排水溝から河川に流れた。 | 業務上取扱者 | ホースの接続不良 | 水道の取水一時停止 |
12 | 1999/8/9 | 和歌山県 | 劇物 | 硫酸62% | 貯蔵タンクの亀裂から約3tが漏洩、また、防液堤に沿って約4mの陥没があり、大部分が水抜穴から中和槽に入ったが、少量が外部に漏洩した。 | 販売業 | 貯蔵タンクの亀裂 | 特になし |
13 | 1999/8/20 | 石川県 | 劇物 | 塩化水素35% | 一般道路走行中、トラックの荷台からポリタンク2個が落下し、道路上に約40L流出した。 | 販売業 | 車両荷台留め金かけ忘れ | 半径50mで異臭が発生し、付近一帯一時通行止め。 |
14 | 1999/9/17 | 愛知県 | 毒物 | 黄リン(原体) | 工場で黄リンから次亜リン酸ナトリウムを生成する際に、停電により反応装置が停止したが、装置の反応が終了したと認識して、未反応の黄リン約20kgをタンクに移動したため、酸化してタンクの開口部から白煙を生じ、リン酸ミストとして大気中に飛散した。 | 製造業 | 停電時の点検が不十分 | 排気口から激しい煙と炎が発生した。 |
15 | 1999/9/24 | 千葉県 | 劇物 | フェノール | パイプラインで移送中、フランジ部から約193tが流出した。その内130tが排水溝から海上に流出した。 | 製造業 | 配管のガスケットが破損したことによる。また、防波堤のバルブが開放されていたことから海域に流出した。 | 特になし |
16 | 1999/10/4 | 和歌山県 | 劇物 | 塩酸35% | タンクの排水コックが破損し600kgが県道に流出した。 | 業務上取扱者 | 排水コックの老朽化による破損及び防液提が未設置。 | 特になし |
17 | 1999/10/26 | 富山県 | 毒物 | ホスゲン | ガス吹込み配管清掃作業のために配管上部の閉止板を緩めていたが、作業員の連絡ミスにより製造工程が始動してしまい、ホスゲンガス及び液体が開口部から2.9kg噴出した。 | 業務上取扱者 | 配管清掃作業中であったにもかかわらず、作業員間の連絡ミスにより、ホスゲンの仕込み操作を行ったため。 | 作業員2名がホスゲン吸入し、病院へ搬送された。うち、1名死亡。1名は検査の結果異常なし。 |
18 | 1999/11/2 | 青森県 | 劇物 | アンモニア | 魚類冷凍冷蔵庫内で、アンモニア循環用パイプが破損し、アンモニアガスが漏洩した。 | 業務上取扱者 | 冷凍冷蔵庫の老朽化 | 現場作業員1名死亡。 |
19 | 1999/11/12 | 埼玉県 | 劇物 | 臭素99% 臭化水素 |
反応槽に連結されていたポリチューブがガス圧により外れ、工場内にガスが漏洩した。 | 業務上取扱者 | ポリチューブとゴム管連結が不完全であった。 | 作業員2名にガス吸引による喉の痛み。 |
20 | 1999/11/30 | 山口県 | 劇物 | 硝酸67.5% | 硝酸をタンクローリーに積み込み作業中、配管等から発煙し、作業中のホースが揺れて移送中の液が少量漏えいした。 | 業務上取扱者 (めっき業) |
硝酸がタンクローリー内の残液(スルファミン酸ニッケル等)と化学反応して発煙したと推測される。(タンク洗浄を怠った。) | 作業員2名が化学熱傷 |
21 | 1999/12/3 | 徳島県 | 劇物 | クロルピクリン80% | 委託された運送業者が配送中に荷台から路上に20リットル1缶を落とし、通行車が接触し当該品が路上に漏れ出た。 | 業務上取扱者 | 車の荷台への固定が不適切であった。 | 特になし |
22 | 2000/1/11 | 茨城県 | 劇物 | 水酸化カリウム11%溶液 | トラックでコンテナを運搬中、急ブレーキによりコンテナが横転し、400Lが道路上に流出した。 | 業務上取扱者 | コンテナを荷台に固定していなかった。 | 特になし |
23 | 2000/1/13 | 東京都 | 劇物 | 水酸化ナトリウム48% | 凍結した配管をはずし水酸化ナトリウムの除去作業を行った際、突然タンクから敷地外に500〜600L流出した。 | 業務上取扱者 | タンク底部及び配管が凍結したため、除去作業をする際、配管をはずし除去しようとした時、突然タンクから漏れだした。 | 除去作業を行っていた従業員外5名が軽症を負った。 |
24 | 2000/1/16 | 山形県 | 劇物 | 苛性ソーダ48% | 貯蔵タンクから漏洩し、海に流出した。 | 販売業 | タンク(スチームコイル部)の腐食 | 特になし |
25 | 2000/1/18 | 広島県 | 劇物 | 硫酸75% | 硫酸タンクの取替工事中、中和処理のため水酸化ナトリウムを注入したところ、硫酸が突沸し、飛散した。 | 業務上取扱者 | 中和作業の手順ミス | 作業員5名負傷 |
26 | 2000/1/20 | 山口県 | 劇物 | 液化塩素 | 塩素貯蔵タンクから元バルブの補修の際、貯槽内の-30℃の液化塩素が気体となって、3t(推定)噴出して作業員に飛散した。 | 製造業 | 塩素貯蔵タンクから元バルブの補修の際、加圧状態であるのに、ナットを緩めたため。 | 作業員2名が凍傷 |
27 | 2000/1/27 | 茨城県 | 劇物 | アクリル酸 | 加温溶解中、加温庫扉が爆発・漏洩した。 | 業務上取扱者 | 製造作業標準よりも高い設定温度で加温庫を使用したことが原因と推定される。(作業ミス) | 従業員1名死亡、1名火傷。 |
28 | 2000/1/30 | 静岡県 | 劇物 | アクリル酸(原体) | タンクローリー(9,150L積載)で運送中、前方不注意により横転し、タンク安全弁が破損し約30mLが漏洩した。 | 業務上取扱者 | 交通事故によるタンク安全弁の破損(前方不注意による急ブレーキ) | 運転者1人軽傷。(交通事故) 付近一帯一時通行止め。 |
29 | 2000/2/4 | 宮崎県 | 劇物 | クロルピクリン80% | 農家が農薬散布するためトラクターにタンクを固定させて運んでいたところ転倒させ約15Lが流出した。 | 業務上取扱者 | 固定が不完全であった。タンクも老朽化しており、落下した衝撃で破損した。 | 付近を通行中人が異臭を訴えた。 |
30 | 2000/2/14 | 愛知県 | 劇物 | 塩素ガス | 塩素を生成する際に、コンピュタ−故障により、塩素ガス約2kgが高圧で逆流し、大気中に飛散した。 | 製造業 | 装置の故障 | 公道への異臭 一時一般道路を通行止め。 |
31 | 2000/2/19 | 山口県 | 劇物 | 塩素ガス | 塩素タンクの圧力計を取り外した後、枝管バルブを開いたところ配管内に残っていた少量の塩素ガスが噴出し作業員が吸い込んだ。 | 製造業 | 配管内に残っていた塩素ガスを窒素等で置換せず枝管バルブを開いたため。 | 作業員1名が軽傷(のどの痛み等) |
32 | 2000/3/20 | 神奈川県 | 劇物 | 水酸化ナトリウム | タンクローリーで輸送中、エアー抜きバルブから約40L道路上に流失した。 | 業務上取扱者 (運送業) |
エアー抜きバルブの閉め忘れ。 | 特になし |
33 | 2000/3/30 | 静岡県 | 毒物 | 弗化水素酸 | 弗化水素酸タンクのエア抜き作業中、弗化水素酸を含んだ水が誤って排水溝に排出され、河川へ約500L流出した。 | 製造業 | 防液堤排水弁の閉め忘れ。 | 特になし |