欧州食品安全機関(EFSA)からのノロウイルス関連情報
http://www.efsa.europa.eu/


カキのノロウイルス汚染に関する欧州ベースライン調査の技術仕様
Technical specifications for a European baseline survey of norovirus in oysters
EFSA Journal 2016;14(3):4414
4 March 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4414

(食品安全情報2016年10号(2016/05/11)収載)


 欧州委員会(EC)は、生ガキのノロウイルス(NoV)汚染に関する欧州連合(EU)モニタリングプログラムで使用される調査プロトコルの作成にあたり、欧州食品安全機関(EFSA)に科学的・技術的支援を要請した。この調査の目的は、予測汚染率を50%とし、信頼水準95%および精度水準5%で、欧州域内の生産水域のカキおよび発送センターのカキのバッチでのノロウイルス汚染率を推定することである。調査プロトコルには、調査対象、サンプルサイズ、検体採取時の要件、NoV(遺伝子型IおよびII)コピー数の定量分析法、データ報告時の要件、およびデータ解析の方法が規定されている。生産水域でのサンプリングは、商品としてのカキを養殖している各クラスの個々の生産水域を単位とし(採捕している・していないに関わらず)、発送センターでのサンプリングは、包装および識別表示工程の生ガキのバッチを単位として行われる。多段階サンプリング法にもとづき、毎年、欧州域内の171カ所の生産水域から1,026検体、および197カ所の発送センターから 1,182検体をサンプリングすべきである。調査を行った年が典型的な年ではない可能性を低減させるため、調査は2年目も繰り返し実施すべきである。検体の分析は、EUノロウイルスリファレンス検査機関(EURL)の専門家作業グループが特定した分析条件(ISO/DIS 15216-1に沿っている)に従って行われる。閾値を定量限界(LOQ)未満、100、200、500、1,000、5,000、10,000、および>10,000コピー/gとした場合のノロウイルス汚染サンプルユニットの割合(95%信頼区間(CI))は一般線形モデルを用いて推定される。解析のためにサンプリング担当者および検査機関が必ず報告すべきデータは2種類のモデルにより説明されている。調査結果はEFSAのデータ収集フレームワークを用いて報告すべきである。



国立医薬品食品衛生研究所安全情報部