オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)からのノロウイルス関連情報
http://www.rivm.nl/


医療監察局および食品消費者製品安全庁に報告されたオランダの食品由来感染症および食中毒:2010年
Registration of foodborne infections and intoxications in the Netherlands at the Health Care Inspectorate and the Food and Consumer Product Safety Authority : Results 2010
2011-08-25
http://www.rivm.nl/bibliotheek/rapporten/330261004.html

(食品安全情報2011年18号(2011/09/07)収載)

 食品消費者製品安全庁(nVWA:new Food and Consumer Product Safety Authority)および医療監察局(IGZ:Health Care Inspectorate)に2010年に登録されたデータについてオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)が分析を行った。2010年にIGZおよびnVWAに報告された食品由来感染症の件数は、2009年と比較して、患者総数は増加しているものの、ほぼ同程度であった。最も重要な病因物質は、これまでと同様、サルモネラ、カンピロバクターおよびノロウイルスであった。なかでも、サルモネラは報告患者数が最も多く、入院患者のほぼ全員、死亡者3人全員の原因となっていた。

 アウトブレイクを防止するには、行政機関、生産業者、供給業者、ホテル・食品提供業者などの業界、さらに消費者も食品安全に関するあらゆる面で絶えず注意を払わなければならない。生または完全に火を通さない状態で喫食する食品を生産する過程での汚染防止、食品を加工する際の適正衛生規範の実施、および食品の調理・保管中の交差汚染の防止には特に注意が必要である。

 2010年にnVWAに報告された食品由来感染症は432件であった(2009年は458件)。2010年の患者数は1,178人で、2009年の1,143人よりやや増加していた。一方、IGZに登録された報告件数は、2009年に減少した(35件)ものの、2010年は2004〜2008年のレベル(年間約45件)に戻った。2010年の総患者数は355人で、2009年(342人)とほぼ同じであったが、入院率は21%に上昇した(2009年:9%、2008年:11%、2007年:16%)。RIVMは、食品由来感染症および食中毒の実際の年間患者数を300,000〜1,230,000人と推定している。しかしながら、感染患者全員が医療機関を受診したり、nVWAに報告されるわけではないため、報告されている患者数は実際より少ない。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部