米国疾病予防管理センター(US CDC)からのA型肝炎ウイルス(HAV)感染アウトブレイクに関する食品関連情報
http://www.cdc.gov/


冷凍ベリー・ザクロ混合製品に関連している可能性がある複数州にわたるA型肝炎アウトブレイク(2013年6月10日付更新情報)
   【随時更新中のため患者数等の最新情報は元のURLをご確認ください】
Multistate outbreak of Hepatitis A infections potentially associated with “Townsend Farms Organic Antioxidant Blend” frozen berry and pomegranate mix
Updated June 10, 2013
http://www.cdc.gov/hepatitis/Outbreaks/2013/A1b-03-31/index.html

 (食品安全情報(微生物)2013年12号(2013/06/12)収載)
 米国疾病予防管理センター(US CDC)は、複数州の公衆衛生当局および米国食品医薬品局(US FDA)と協力し、複数州にわたり発生しているA型肝炎アウトブレイクを調査している。調査の主な暫定結果は以下の通りである。

 2013年6月10日時点で、汚染食品の喫食に関連している可能性がある急性A型肝炎患者が8州(アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ハワイ、ネバダ、ニューメキシコ、ユタ、ワシントン)から計87人報告されている。この患者数は調査の進行に伴って変更される可能性がある。患者68人に関する疫学調査から以下の点が明らかになっている。

  • 45人(66%)が女性

  • 年齢範囲は2〜84歳

  • 発症日は2013年3月16日〜6月1日

  • 入院患者は36人(53%)、死亡者の報告はなし

  • 聞き取り調査を行った患者68人のうち46人(70%)が冷凍ベリー・ザクロ混合製品「Townsend Farms Organic Antioxidant Blend」の喫食を報告

  • 患者全員がCostco社の店舗での当該製品の購入を報告したが、当該製品はHarris Teeter社の店舗でも販売されていた。現時点では、後者の店で購入した患者は確認されていない。

 各州および各地域の公衆衛生当局、FDAおよびCDCによる共同調査が継続されている。Costco社は、2013年2月下旬以降に当該製品を購入した会員に通知を行い、店頭から本製品を撤去した。

 6月3日、Townsend Farms社(オレゴン州Fairview)は、A型肝炎ウイルス汚染の可能性がある一部のロットの冷凍ベリー・ザクロ混合製品(Organic Antioxidant Blend)の回収を自主的に開始した。

 2州で採取した検体を検査機関で検査した暫定結果から、A型肝炎ウイルス(HAV)アウトブレイク株は遺伝子型1Bであることが示された。この型は南北アメリカ大陸ではあまり見られないが、北アフリカおよび中東地域では流行している。

 この遺伝子型は、冷凍ベリーに関連して欧州で発生した2013年のアウトブレイク、およびエジプト産ザクロ入り冷凍ベリーミックスに関連してカナダ(ブリティッシュ・コロンビア州)で発生した2012年のアウトブレイクで特定されている。しかし、現時点ではこれらのアウトブレイクが相互に関連していることを示すエビデンスはない。

 ラベル表示によると、当該製品には米国、アルゼンチン、チリおよびトルコが原産地の農産物が使用されている。

 A型肝炎はヒトの疾患で、感染した食品取扱者が手指の適切な衛生管理を行わずに食品を調理することによって発生することが多い。しかし、HAVに汚染された食品によるアウトブレイクでは、食品の喫食者および取扱者双方で患者が発生する可能性があり、本アウトブレイクでも同様の疑いがもたれている。

(消費者への助言)

http://www.cdc.gov/hepatitis/Outbreaks/2013/A1b-03-31/advice-consumers.html


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部