国連食料農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)からのインフルエンザA(H1N1)関連情報


ヒトにおけるA/H1N1インフルエンザアウトブレイク:ヒトと動物との接点について(2009年4月30日)
The influenza outbreak in humans caused by Influenza A/H1N1- considerations at the human-animal interface
INFOSAN Information Note No. 2/2009
(Update) 30 April 2009
(食品安全情報2009年10号(2009/5/7)収載)

概要(SUMMARY NOTES)

  • 世界保健機関(WHO)は、国際健康規則(IHR: International Health Regulations、2005)にもとづき、ヒトにおけるA/H1N1インフルエンザアウトブレイクを国際的に公衆衛生上の懸念がある緊急事態(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern)であると宣言した。また、インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ4からフェーズ5にひきあげた。
  • 当該ウイルスは今までにブタやヒトで検出されていないA/H1N1インフルエンザウイルスの新しい亜型であるとされつつあり、ブタ、ヒトおよび鳥のインフルエンザウイルスの遺伝子を混合して含んでいる。
  • 当該ウイルスはブタからは分離されておらず、そのブタにおける存在(感染)およびこの新型ウイルスに対する各種動物の感受性に関する調査が必要である。
  • 当該ウイルスが動物に感染もしくは疾病を引き起こすことが示された場合には、動物間におけるウイルスの伝播が地域および世界の公衆衛生状況を悪化させる可能性がある。
  • A/H1N1インフルエンザウイルスが豚肉もしくは豚肉製品の喫食を通じてヒトに感染するという事実は確認されていない。

消費者へのアドバイス(ADVICE TO CONSUMERS)
  • 現在もA/H1N1インフルエンザウイルス感染が拡大している状況下で、このウイルスがブタに検出される可能性と豚肉および豚肉製品の安全性についての懸念が生じている。
  • インフルエンザウイルスが加工された豚肉もしくはブタ由来のその他の食品の喫食を介してヒトに感染するという事実は知られていない。
  • 肉の調理に一般的に使用される加熱処理(中心温度70℃/華氏160度)により、生肉製品中に存在する可能性のある、いかなるウイルスも確実に不活化される。
  • WHO、FAO、コーデックス委員会およびOIEにより推奨されている優良衛生規範に沿って取り扱われた豚肉および豚肉製品は、感染源とはなり得ない。
  • 行政当局および消費者は、どのような状況下においても、病気のブタもしくは死亡したブタからの肉が加工されたり、ヒトによって喫食されたりすることのないよう再確認すべきである。

 詳細情報は以下のINFOSAN information noteを参照。
International Food Safety Authorities Network (INFOSAN)
http://www.who.int/foodsafety/fs_management/infosan_archives/en/index.html

http://www.who.int/foodsafety/fs_management/No_02_influenza_Apr09_en_rev1.pdf


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部