国際獣疫事務局(OIE)からのインフルエンザA(H1N1)関連情報


チリの七面鳥におけるインフルエンザA /H1N1アウトブレイク−速報、2009年8月21日付(2009年8月27日)
21/08/2009: Influenza A H1N1, Chile (Immediate notification)
Weekly Disease Information
Vol. 22 - No. 35, 27 Aug, 2009
(食品安全情報2009年19号(2009/9/9)収載)

  チリ農業省からOIEに繁殖用七面鳥におけるインフルエンザA/H1N1ウイルスのアウトブレイク2件が報告された。アウトブレイクは2009年7月23日から発生しており、8月20日に確認され、8月21日に報告された。アウトブレイク2件合計の感染率は61.4%(36,585羽/59,554羽)、死亡は0羽である。

  • アウトブレイク1(Las Palmas, Quilpue, Valparaiso, VALPARAISO)
    アウトブレイク発生日:2009年7月23日(継続中)
    感受性動物数:29,782羽、症例動物数:24,337羽
     繁殖用七面鳥において、(産卵率が)70%から平均31%に低下し、また卵殻品質低下が見られた。呼吸器症状および死亡率の上昇は確認されていない。症例鳥の剖検では卵管炎(salpingitis)、腹膜炎(peritonitis)、卵胞形成障害(interruption of the follicular development)が確認された。ふ化施設からのふ化卵検体のリアルタイムPCR検査はウイルス陰性であった。発生20日後に産卵率の回復が確認された。

  • アウトブレイク2(Pucalan, Quillota, Nogales, VALPARAISO)
    アウトブレイク発生日:2009年7月29日(継続中)
    感受性動物数29,772羽、症例動物数12,248羽
     繁殖用七面鳥において産卵率の異常な低下が見られた。呼吸器症状および死亡率の上昇は確認されていない。

     上記2件のアウトブレイクは同じ会社の2カ所の七面鳥繁殖農場で発生した。発生した農場は適切なバイオセキュリティ対策が取られている農場である。
     臨床症状を呈する前に、七面鳥の一部は呼吸器症状を持つヒトと接触していた。当該繁殖施設では血清学的モニタリングが行われており、2009年7月28日までの検査結果は陰性であった。血清学的検査によりH5、H7ウイルスの存在は否定され、パンデミックインフルエンザウイルス A/H1N1 2009の存在が確認された。検体はチリ保健省公衆衛生研究所(ISP: Public Health Institute of Chile)に送付され、パンデミックインフルエンザウイルス A/H1N1 2009がリアルタイムPCRで確認された。H1およびH3季節性インフルエンザウイルスのRT-PCR検査は陰性であった。検体はOIEレファレンス検査機関に送付予定である。
     検疫、スクリーニング、汚染施設の消毒、ワクチン接種の禁止を行い、症例動物の治療は行わない等の対策がとられている。
    http://www.oie.int/wahis/public.php?page=weekly_report_index&admin=0(Weekly Disease Information)
    http://www.oie.int/wahis/public.php?page=single_report&pop=1&reportid=8389


    国立医薬品食品衛生研究所安全情報部