欧州連合(EU)からのインフルエンザA(H1N1)関連情報


集約型養豚(Q&A):食品安全関連情報
Intensive pig farming
Implication for food safety

Q. 最近のニュースによると新型インフルエンザウイルスはメキシコの100万頭規模の大規模生産農場から発生したと報告している。大規模生産がこのようなウイルスの新興の原因ではないのか?

     新型インフルエンザウイルスA(N1H1)はメキシコのヒトにおいて発生した呼吸器系疾患アウトブレイクの原因ウイルスであり、ブタ、鳥およびヒトのインフルエンザウイルス由来の遺伝子を含んでいる。このウイルスは、このウイルスを生じたゲノム再集合がブタで起きたとの推測のもとに「豚インフルエンザ」と名付けられた。しかしながら、これを支持する確実な科学的エビデンスは現在のところなく、ゲノム再集合が鳥やヒトで起きた可能性もある。さらに、このウイルスがメキシコやその他の地域のブタ群に存在しているかは明らかでなく、ブタからヒトへの感染リスクがあると結論づけることはできない。他方、ヒトからヒトへの継続した伝播は証明されている。感染源の特定には今後の調査が必要である。

Q.メキシコの当該ブタ農場は何カ国かのEU加盟国に豚肉を輸出していると報道されている。ECはブタおよびブタ由来製品による疾病の流入を防ぐためにどのような対策をとるのか?
     メキシコからの生きたブタやブタ由来製品の輸入は許可されていない。米国からは豚肉およびブタの精液の輸入が許可されている。カナダからは生きたブタ、豚肉、およびブタの精液の輸入が許可されている。
     豚肉に関しては、新型インフルエンザウイルスは食品を介して伝播しない。さらに、インフルエンザウイルスはすべて、熱に対して非常に感受性が高く、70℃で死滅する。適正に取り扱われ、適切に加熱調理(70℃)された豚肉および豚肉製品の喫食は完全に安全である。
     現在メキシコおよび米国で発生しているインフルエンザアウトブレイクがカナダ産ブタと関連していることを示唆するものはなく、EUが北米からの輸入への対応を変更する理由はない。
http://ec.europa.eu/health/ph_threats/com/Influenza/farming_en.pdf


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部