カナダ食品検査庁(CFIA)の国立海外動物疾病センター(NCFAD: National Center for Foreign Animal Disease)がアルバータ州のブタから分離されたH1N1ウイルスの全遺伝子配列をマッピングした。この結果は世界中の研究者にとって、このウイルスと、その動物への影響を理解する上で有用な情報となる。
インフルエンザウイルスは、適正に取り扱われ、加熱調理された豚肉の安全性に影響を与えない。
CFIAはカナダの国立微生物学研究所(National Microbiology Laboratory)と緊密に協力し、アルバータ州の農場のブタから検出されたウイルスの全容を解明した。この結果から、以前の初期検査結果が妥当であり、ブタで検出されたウイルスは世界中のヒトで症状を引き起こしているウイルスと同一であることが確認された。
CFIAは、ブタにおいて新型H1N1インフルエンザウイルスを確認するために開発した診断法を各州および準州、国際機関および各国に提供し、サーベイランスおよび検出活動を促進する。
現在、研究者はH1N1インフルエンザウイルスがどのようにブタに影響をおよぼすかを調査している。さらに調査が必要であるものの、初期調査からは、世界中のブタ群に一般的に検出されるインフルエンザウイルスに曝露した場合と同様に、感染したブタは発症した後に自然に回復することが示唆される。
CFIAは他の動物種がこのウイルスに感受性があるか否かを調査しており、この結果は疾患の予防や対策の改善に利用可能かもしれない。また、現在存在しているワクチンの効果の評価と、より良くかつ迅速な診断法の開発の研究も行っている。
http://www.inspection.gc.ca/english/corpaffr/newcom/2009/20090515e.shtml