EFSAは、EUに口蹄疫(FMD)が再侵入するリスクの評価、再侵入の経路の解明、EU以外の国における対策がEUへの再侵入の減少につながる可能性ついて評価を行うよう要請された。
ヨーロッパにおけるFMDの侵入と拡散に関する因子と環境はほとんど変わっておらず、リスクの低下は期待できない。貿易の増加により、リスク因子がさらに重要となる可能性がある。中東からの生きている動物の輸入、感染した食肉とその製品の違法な輸入、東南アジア・中国・南アジアからの動物性製品の合法的な輸入などの経路が考えられる。南米とヨーロッパ南東部からの輸入品を介してヨーロッパにFMDウイルスが侵入した後、このような地域のFMD有病率を低下させる戦略などが実施されたが、依然リスクが存在している。ヨーロッパを保護するためのFMDリスク削減戦略では、東南アジア・中国・南アジアのほか、アフリカ東部とサハラ砂漠南縁地域のFMD制圧にも取り組むべきである。FMDの制圧は、特定の条件が満たされれば実行可能であると考えられている。制圧への地域的アプローチ、世界的サーベイランスのための協力関係の確立、安全な貿易のための戦略の統合などが推奨された。EUだけでなくあらゆる地域関係者に、対策の効果があることが必須条件である。FMDの世界的制圧は20〜30年を要すると予想されるため、風土病地域における制圧対策はEU戦略に取って代わるものではなく、EU戦略を補足するものであると考えるべきである。
結論としてヨーロッパは依然として他の風土病地域からのFMDの侵入を受けやすい。動物や動物性製品の輸入量と輸入相手国の増加を考慮すると、リスクは上昇する可能性が高い。第三国の制圧にEUの戦略は重要な要素である。
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178620774122.htm(報告書)
http://www.efsa.eu.int/science/ahaw/ahaw_opinions/1357_en.html