世界保健機関(WHO)からのエボラウイルス疾患(EVD)に関する食品関連情報
http://www.who.int/en/


情報通知:エボラウイルス感染症と食品安全
Information note: Ebola and food safety
24 August 2014
http://www.who.int/csr/disease/ebola/note-ebola-food-safety/en/

(食品安全情報2014年22号(2014/10/29)収載)

 【主に食品関連部分を紹介する】

エボラウイルス感染症の基本情報

 現在、アフリカの複数の国でエボラウイルス感染症(EVD)アウトブレイクが発生している。EVDは、感染した動物またはヒトの血液、体液および組織との直接接触によって感染する。アウトブレイクの際、感染リスクが高いのは医療従事者や患者の家族、および患者や死亡者と密に接触する人などである。適切な感染対策および予防対策の実施により感染を防止することができ、また患者への対症療法により死亡者数を大幅に減らすことができる。診療所や病院、コミュニティでの集会、葬式、家庭などで、推奨される予防対策を行うことで感染の拡大の抑制が可能である。

現在のアウトブレイク:ヒト-ヒト感染

 エボラウイルスは野生動物、特にヒト以外の霊長類に流行することが知られている。エボラウイルスの宿主としての可能性があるのは、ヒト以外の霊長類、ダイカー(duiker)、コウモリ、小型げっ歯類、トガリネズミ(shrew)である。過去のEVDアウトブレイクでの初発患者の感染源は、狩猟、解体、野生動物の肉(bush meat)の調理の際の感染野生動物への接触で、その後はヒト−ヒト感染により感染が拡大した。しかし、今回のアウトブレイクでは患者の大部分がヒト−ヒト感染である。

食品、動物とエボラウイルス

 エボラウイルスは加熱によって不活化するため、食品に適切な調理と加熱が行われていれば、食品の喫食によってヒトが感染することはない。感染した動物または生の食肉や副産物と直接接触する場合は、基本的な衛生対策によって感染を防ぐことができる。基本的な衛生対策としては、これらの動物およびその産物と接触する前後に通常の手洗いを実行し、衣服と履物を交換することが挙げられる。病気の動物および死亡した動物は喫食してはならない。

(食品安全情報(微生物)2014年22号 OIE、FSAI記事参照)


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部