ロベルト・コッホ研究所、ドイツ(RKI)からの大腸菌O104関連情報
http://www.rki.de


腸管出血性大腸菌/溶血性尿毒症症候群(EHEC/HUS O104:H4)アウトブレイクは終息したと判断
EHEC/HUS O104:H4 - The outbreak is considered to be over
26 July 2011
http://www.rki.de/cln_169/nn_217400/EN/Home/PM__EHEC.html

(食品安全情報2011年16号(2011/8/10)収載)

 過去数週間に、ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)は、今回のアウトブレイクに関連した腸管出血性大腸菌(EHEC)感染もしくは溶血性尿毒症症候群(HUS)の散発患者を報告している。このアウトブレイク関連の最新の患者発生は2011年7月4日に報告があり、それからすでに3週間が経過している。その後はRKIへ当該アウトブレイク関連新規患者の発生報告はないため、RKIは今回のアウトブレイクは終息したと判断している。3週間という期間は、潜伏期間、診断に要する期間、および報告のための期間を考慮している。

 EHEC O104:H4の強化サーベイランスは継続される予定である。アウトブレイクの終息後も、EHEC O104:H4感染患者の発生があれば詳細な追跡調査が行われ、発生後直ちにRKIに報告されることになっている。RKIは、診療所や病院の医師に対し、出血性下痢症を呈するすべての患者についてEHEC感染の可能性を疑い、病原体検出のための適切な診断検査を実施するよう要請している。

 アウトブレイク終息後も、EHEC感染の新規患者が前年同期より多く報告されることが予想される。これは、EHEC/HUSに対する関心が高くなっており、検査機関による検査が強化されているためである。そのため、アウトブレイクの終息後もアウトブレイク株に感染した散発例の患者の発生が続く可能性がある。これらの感染は、無症候性の排菌者(shedder)により起こる可能性がある。ヒト‐ヒト感染または排菌者が汚染した食品を介して感染が起こりうる。したがって、個人的および食品取扱い上の衛生対策の厳守が引き続き推奨される。

 今回のアウトブレイクでは、計4,321人の患者がRKIに報告され、3,469人がEHEC感染患者、852人がHUS患者であった。全部で50人が死亡し、このうち18人がEHEC患者、残りの32人がHUS患者であった(2011年7月25日10時現在)。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、他の欧州連合(EU)加盟国では、死亡者1人を含む76人のEHEC患者と49人のHUS患者が報告された(2011年7月22日時点)。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部