(食品安全情報2011年15号(2011/7/27)収載)
英国食品基準庁(UK FSA)は、最近ドイツとフランスで発生したスプラウト関連の大腸菌O104:H4アウトブレイクについて、消費者への感染予防のための助言を更新した。
フランスのアウトブレイクに英国企業が関連する可能性が報告されたことを受け、FSAは調査を実施する間、スプラウトは完全に火を通した状態でのみ喫食し、生のものは喫食してはならないとする暫定的な助言を発表した。今回、この暫定的助言が包装に記載されている指示に従うように変更された。スプラウトに“ready-to-eat”もしくは“ready-to-wash”とラベル表示がある場合には生で喫食することが可能である。上記の記載がないその他のスプラウトはすべて、完全に火を通す必要がある。食品提供業者に対しては、食品安全および品質管理システムが整っていると認められる生産者からスプラウトを仕入れるよう助言している。この変更は以下の調査結果によるものである。
フランスのアウトブレイクと関連がある英国企業から出荷された種子は大腸菌O104:H4陰性であった。2011年7月7日、欧州食品安全機関(EFSA)はいくつかのバッチのエジプト産フェヌグリーク(fenugreek)種子がアウトブレイクの原因である可能性が最も高いと特定した。これを受け、欧州連合(EU)は消費者保護のため、関連するバッチのフェヌグリーク種子を回収し、また2011年10月31日までエジプトからのフェヌグリーク、特定の種子、豆およびスプラウトの輸入を禁止した。英国では関連する種子が販売されたエビデンスはなく、これまでフランスのアウトブレイクと関連した大腸菌O104:H4患者の発生もない。