英国食品基準庁(UK FSA)からの大腸菌O104関連情報
http://www.food.gov.uk/


大腸菌O104感染アウトブレイクに関する更新情報
Update on E.coli O104 outbreaks
7 July 2011
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2011/jul/ecoli070711

(食品安全情報2011年14号(2011/7/13)収載)

 欧州委員会(EC)は、ドイツおよびフランスの大腸菌O104感染アウトブレイクに関連しているとされる、エジプトから輸入された特定バッチのフェヌグリーク種子の回収の詳細を確定した。

 当該バッチのフェヌグリーク種子は2009〜2011年にエジプトで生産された。フランスのアウトブレイクに関連があるとされている英国の1業者は、現時点において、問題のバッチを輸入したドイツの業者を経由して関連するフェヌグリーク種子を受け取った英国で唯一の業者である。当該業者は既に種子を回収し、現在は検体の大腸菌O104:H4の検査が行われている。

 回収は欧州全体で実施されているが、その対象は発芽用のフェヌグリーク種子で、調理用の挽いたスパイスまたは成分としてフェヌグリークを含む製品は含まれない。

 ECはさらに、エジプトからのフェヌグリークなど一部の種子、豆およびスプラウトの輸入を一時的に禁止した(2011年10月31日まで)。

 これらの対策は、欧州食品安全機関(EFSA: European Food Safety Authority)が報告したドイツとフランスのアウトブレイクの調査結果を受けてEUが決定した。EFSAの報告では、エジプトの業者がドイツの業者に販売したフェヌグリーク種子の1バッチが両アウトブレイクに関連している可能性が最も高いと結論している。

 しかし、フェヌグリーク種子の問題のバッチと両アウトブレイクとを関連付けるエビデンスは決定的なものとは言えず、ヨーロッパ各国で引き続き調査中である。

 EFSAは、異なる種子間での交差汚染のリスクも排除できないとして、十分に加熱されていないスプラウト(sprouted seed)の喫食を避けるようにとの消費者向けの助言を変更していない。

 英国食品基準庁(UK FSA)の助言にも変更はない。スプラウトは全体に火が通るまで十分に加熱したものだけを喫食し、生のまま喫食してはならない。発芽用に用いる設備は、使用後十分に洗浄する必要がある。また、栽培用または発芽用種子の取り扱いの前後には、食品の調理時と同様、必ず手指を洗浄しなくてはならない。この助言はレビューにもとづいて変更される可能性もある。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部