欧州連合(EU)からの大腸菌O104関連情報
http://europa.eu/index_en.htm


大腸菌アウトブレイク:EUによるエジプト産種子の市場からの回収および一時的な輸入禁止措置
E. coli outbreak: EU withdraws Egyptian seeds from the market and temporarily bans their import
5 July 2011
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/11/831

(食品安全情報2011年14号(2011/7/13)収載)

 欧州連合(EU)は、ドイツ北部およびフランスのボルドー地域で発生した大腸菌アウトブレイク(O104株)にエジプト産フェヌグリーク種子が関連していたことから、特定のエジプト産種子を市場から回収し、一時的に輸入を禁止している。この措置は、7月5日に欧州食品安全機関(EFSA)が発表した報告書で両アウトブレイクとエジプト産種子との関連が明確になったことを受けて決定された。

 今回の決定では、EU加盟国に対し、2009〜2011年にエジプトから特定の輸出業者を介して輸入したフェヌグリーク種子全ロットを確実に回収、サンプリングおよび廃棄することを規定している。また、エジプト産のスプラウト用の種子および豆の輸入を2011年10月31日まで停止することも規定している。

 これらの措置は直ちに適用されるもので、本措置は7月5日、EUのフードチェーンおよび動物の健康に関する常設委員会(SCoFCAH:Standing Committee on the Food Chain and Animal Health)の加盟国によって当該問題に関するECの提案を受けて支持されたものである。これらの措置は、エジプトによる保証、検査機関による検査結果、および加盟国が実施する対策にもとづいて定期的に再評価される。

 EFSAは報告書の中で、エジプトの特定の輸出業者から輸入されたフェヌグリーク種子1ロットが両アウトブレイクに共通して関連していた可能性が最も高いとしている。報告書は、他のロットが関与する可能性も排除していない。EFSAはまた、アウトブレイクの重大性と汚染経路に関する情報の欠如を考慮し、特定のエジプトの輸出業者から2009〜2011年に輸入されたフェヌグリーク種子全ロットを汚染の疑いのある対象として考えることが妥当であるとしている。さらに、汚染はおそらく種子が輸入業者から出荷される前に発生していたとも指摘している。生産もしくは流通過程においてヒトまたは動物由来の糞便等による汚染が発生したとみられる。報告書は、汚染の正確な発生段階はまだ不明であるとしている。

 EUでは、スプラウト用の種子類を主にインドおよび中国から輸入している。2010年にEUは、今回の輸入禁止措置の対象となった種子約49,000トンをエジプトから輸入しており、その総額は5,600万ユーロ以上である。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部